甘利発言を受けて円が落ちるのは恒例行事(05/20)

不動産株は下がると言ったばかりだが、すまん、ありゃ嘘だ。

株価上昇
国債価格の下落=利回り上昇
→不動産・金融は下がる

という理屈は間違っていない。

しかし、利回り上昇を受けて黒田日銀総裁がさらなる緩和を宣言した。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK067730320130515

それを受けて国債価格上昇=利回り低下 → 不動産・金融は上昇。
市場が「ほら不動産株が下がった」と鼻で笑った直後の宣言だったので流石に驚き。
これは惚れる。



<株式>

日経平均株価=1万5360円81銭(前週末比222円69銭高)
株高の背景には

①日米の経済指標が堅調(日本のGDPが3%など)
②円安基調(週末に1ドル=103円を突破)
③安倍政権の成長戦略に期待(財政・金融では有言実行で効果あり)



<為替>

甘利経済再生担当相の発言を受けて円買い=103円から102円台へ。
22日のバーナンキFRB議長の発言によってドルの上下が決まるので現在は様子見。
また、21-22日の日銀会合について黒田総裁の発言によって円の上下が決まる。

具体的には、

バーナンキ議長
→金融緩和の出口をにおわせる =ドル買い
→言及なし or 継続への強い意思 =ドル売り

FOMCの議事録(この会議ではQE継続が決まっている)
→米経済の改善を示唆 =ドル買い
→懸念事項を強調 =ドル売り   

黒田総裁
→債券利子をある程度押さえ込む追加緩和の意思 =円売り
→債券利子など金融緩和の副作用について言及なし =円買い

普通に考えたら
・米金融緩和は出口戦略を示し始めてもいいんじゃ… →ドル買い
・過度の円高は是正されたし金融緩和は弱めてもいいんじゃ… →円買い
になりそうなのだけど、

この2人がそうした発言をするかと言われると、あまりイメージできない。
QE出口は言及せず(でも米指標は確かに回復)+日銀は追加緩和→ドル買いか。
一方で利益確定のドル売りをする絶好の機会でもある。かなり読みにくい状況。



<債券>

長期金利は前週末比4.5bp高い0.84%。
黒田総裁の発言「景気回復・物価上昇の見通しによって金利は上がる」で売られた。
ただ、依然1%以下なので副作用を懸念するという段階ではない。