10月24日のマーケット

2012年10月24日(水曜日)の経済ニュース・指標をまとめてみました。
主にブルームバーグのWebサイトから引用しています。


ニュース

[ドラギ総裁:ECBの国債購入を擁護、デフレを警告−独議会で]
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCEE8X6TTDVI01.html

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は24日ドイツの議会で、デフレのリスクを警告してECBによる国債購入の計画を擁護した。「現時点で物価安定に対するより大きなリスクは、ユーロ圏の一部の国での物価下落だ」と語っている。「ECBが責務を果たし続けるために、購入プログラムであるアウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)が不可欠だ」と続けた。

ドラギ総裁は欧州一の経済大国であるドイツから支持を得ようとしているが、同国の政策当局者らからは、国債購入は中銀による政府の財政支援にほかならないとの批判の声が聞かれた。このような支援はECBの規則が禁じている。

これに対して以下のような説明がなされた。

・財政ファイナンスを禁じた条約規定に完全に沿っている。
・購入対象は期間が短めのものに限られるため、市場の規律が働く余地がある。
国債購入は唯一の手段ではなく、ユーロ圏の高債務国に財政健全化を迫る圧力もかかる。
国債購入によって生じた流動性はECBが吸収するため、インフレをあおる要因にはならない。

メルケル独首相のキリスト教民主同盟(CDU)の幹部で議会の予算スポークスマンを務めるノルベルト・バーセル議員らを納得させた。


用語メモ

【製造業購買担当者景気指数(PMI)】

Purchasing Managers' Indexの略称。景気の先行きを示す指標のひとつであり、製造業の購買担当者に生産意欲などをアンケートして指数化したもの。製造業の工場が、どのような生産計画を立て、どのくらいの資材を必要としているかをにもとづく。PMIが50を超えると景気拡大を示し、50未満だと景気後退を示す。GDPと似た動きを示し、GDPを約2か月先行するといわれている。

なお、HSBCが24日発表した10月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)速報値は49.1となった。前月の47.9(改定値)から上昇し、3カ月ぶりの水準に持ち直した。中国経済は緩やかなペースで回復している。

via マネー用語辞典 http://m-words.jp/w/PMI.html

via Reuters http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89N02020121024
「10月のHSBC中国製造業PMIは49.1、緩やかな回復示唆」



HSBCホールディングス

イギリス、ロンドン、カナリー・ワーフに本社を置く世界最大級の金融(商業銀行を主体とする)グループ。1865年に香港で創設された香港上海銀行 (The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited) から発展した。香港のイギリスから中華人民共和国への返還決定後、中国共産党統治下における政治リスクを懸念し、海外投資を活発化させたのが、今日のHSBCグループ形成のきっかけである。

「The world's local bank(世界の現地銀行)」をキャッチコピーとして、全世界で数多くの銀行を経営している。ヨーロッパ、アジア太平洋地域、アメリカ大陸、中東、アフリカにまたがる 83 の国と地域に 10,000 を超える拠点を擁し、2007年12月末現在2兆3,540億米ドルの総資産を持つ。

サブプライム問題の深刻化を世界の金融業界の中でも「最も早い」と言えるレベルで分析予想をしており、2006年度の決算で日本円で1兆円以上の損失引当金を北米子会社のために用意していた。そのために2007年上期の業績は業界の予想を上回る前年度比25%(約)の増益で、自らの上期過去最高益を更新した。

また、いわゆるsocial goodな金融商品も扱っている模様。PDF注意。
>ノルウェー地方金融公社、日本の投資家に向けて“クリーンエナジー・ボンド”を再び発行 http://bit.ly/TaT1gw
>アフリカ開発銀行、日本の投資家向け「教育支援債」を発行 http://bit.ly/Rh4IWJ
>HSBC開発途上国の子ども達を救うワクチン債を再び提供 http://bit.ly/P30vpK

via wikipedia http://bit.ly/pnZYWi
via HSBC Japan http://www.hsbc.co.jp/1/2/


経済指標

日経平均株価 8954円30銭 前日比-59円95銭(0.7%)
TOPIX 743.27 前日比-6.1ポイント(0.8%)
円/ドル 79円69銭-79円93銭 ※79.80で前日比-0.047(0.059%)
円/ユーロ 102円99銭-103円83銭 ※103.37で前日比-0.324(0.312%)
10年物債券 利回り0.77% 前日比-1ベーシスポイント

※為替レートは25日02:07時点で前日同時間、Bloombergマーケット速報より。



[日経平均株価][TOPIX]

東京株式相場は、日経平均株価が8営業日ぶりに反落。米国企業の相次ぐ業績下方修正や、スペインの債務不安を背景にした円高・ユーロ安などが嫌気され、自動車や機械など輸出関連、鉄鋼など素材関連、鉱業など資源関連といった景気敏感業種が総じて売られた。

米国では23日、デュポン、3M、ダウ・ケミカルが相次いで計画下方修正や人員削減、工場の閉鎖を発表している。また、スペイン銀行は同日、5四半期連続で実質GDPがマイナス成長となったことを発表。

一方、昼前にHSBCが10月の中国製造業PMIの改善傾向を発表し、アジア市場は総じて堅調な立ち上がりとなった。それを受けて東京市場でも先物に先導される格好で日経平均後場は一時プラス圏に突入。その後、利益確定売りに押されて再び値を崩した。

世界経済の減速を受けて今期国内各社の業績下方修正が懸念されるが、日銀の金融政策決定会合を30日に控え、追加金融緩和に対する期待が日本株買いの底流にある。

via Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCDBAD1A1I4H01.html
日経平均8日ぶり反落、輸出や素材など景気敏感売り−企業業績懸念」

via 朝日新聞社 http://t.asahi.com/8ifh
「【株式・大引け日経平均は8日連騰ならず。過熱感から利益確定売りに押され反落」



[円/ドル]

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=79円後半で底堅く推移した。前日にはドル高・円安が進み、約3カ月ぶりに80円台を付けたが、80円台は売り注文が多く、相場の上値が重くなっていた。

その一方で、積極的にドルを買う動きは限られた。日本銀行による追加金融緩和期待がドルの下支えとなったことに加えて、海外時間に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えている。

年末までにFOMCがQE3(量的緩和第3弾)の対象を米政府証券に広げると予想されるものの、今週23、24日の開催時点で新プログラム導入が発表されることはないだろうと市場は見ている。改めて追加緩和姿勢を示せば多少ドル売り・円買いとなる可能性はある。

via Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCDBUL6JTSFT01.html
「ドル・円79円後半、日銀緩和観測で底堅さ―ユーロは1週間ぶり安値圏」



[円/ユーロ]

この日の東京市場では103円後半でもみ合う展開となった。前日にユーロ高・円安となった後、反落。その後はユーロ売りも一服した。スペイン支援の兆しが見えない限り、神経質な展開が続くとのこと。なお、前日の欧州債市場ではスペイン国債が3営業日続落。

スペイン銀行(中央銀行)は7−9月(第3四半期)の実質国内総生産(GDP)が5四半期連続で縮小したことを発表。また、スペイン予算省は銀行支援コストが負担となり、12年の同国財政赤字がGDPの7.3%に達するとした。債務返済能力が脅かされるとの見方が広がった。

via Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCDBUL6JTSFT01.html
「ドル・円79円後半、日銀緩和観測で底堅さ―ユーロは1週間ぶり安値圏」



[債券]

債券相場は上昇。前日の米国市場では企業業績懸念を背景に株価が大幅反落したほか、債券が買われており、こうした流れを引き継いで買いが優勢となった。日銀金融政策決定会合を来週に控えていることもあり、10年ゾーンまではしっかりしている。

一方、超長期債は総じて安くなった。赤字国債発行の裏付けとなる特例公債法案は野党の反対から先の通常国会で廃案になり、12月以降の国債発行の見通しは立っていない。政治的な行き詰まり感や格下げ懸念から、割安に放置される可能性がある。利回り曲線は傾斜化。

via Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCC4UX6TTDS201.html
「債券は上昇、米株安・債券高受け買い優勢−超長期債は総じて安い」



[まとめ]

1:米国企業・スペイン財政のマイナス発表。
2:逃避先としての円高?・債券=株は下落・債券価格は上昇(利回り低下)
3:ただ、日銀の金融緩和への期待から円は底堅く推移。


感想

今日は2時間で書き終えました。昨日より1時間のスピードアップ。この調子で30分以内に終わるように慣れていきたいです。まとめている途中でFOMCでの政策維持決定が報道されていました。

日本経済新聞 http://s.nikkei.com/UDnWZb
「NY債券、小安く推移 FOMCでの政策維持決定を受け」

ではでは。