11月01日のマーケット

2012年11月01日のニュース、経済指標などをまとめました。中国指標の改善で現在は好調ですが、アメリカでの雇用統計・大統領選の結果を見守る状態です。


ニュース

●シャープ:純損失4500億円に、前期の最悪更新−「疑義」記載も
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCSOWQ6KLVR601.html

経営不振のシャープ は今期(2013年 3月期)連結純損失予想を4500億円に下方修正した。従来は2500億円の赤字予想だったが、液晶や太陽電池の不振に伴うリストラ負担に加え、繰り延べ税金資産の取り崩しで大幅に悪化。過去最悪だった前期の3761億円を超える見通し。

決算短信に「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況」があると記載した。しかし、継続企業の前提に関する「注記」については該当事項なし。広報担当の松村俊之氏は今回の記載は、関係者に重要な情報を説明することが目的だと説明。

・欧州や中国の景気悪化などで収益改善見通しが外れ、税金資産の取り崩しを強いられた
・液晶パネルの供給先として米アップル 以外の顧客を開拓できるかがポイント
構造改革費としては、大型液晶パネル生産縮小に伴う在庫評価損535億円、太陽電池関連の設備減損で301億円を計上



ソニー:7−9月155億円純損失、テレビ販売減−今期予想は維持
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCSP056K50YS01.html

薄型テレビ売上高世界3位のソニー は、第2四半期(7−9月)連結純損失が155億円と7四半期連続の赤字に陥った。携帯電話関連会社の全額出資化で増収を確保してコストも削減したが、テレビの販売減や法人税負担が大きかった。

今期(2013年3月期)純利益は200億円の従来予想を維持。パナソニック・シャープの下方修正に対してソニーだけが見通しを維持した。テレビの構造改革による収益改善で主力商品の販売悪化をカバーしていくという今期の会社戦略が忠実に反映された決算で、安心感が出てきた。



アジア開発銀行、 対ミャンマー支援計画を発表
http://www.viet-jo.com/news-myanmar/economy/121031013056.html

アジア開発銀行(ADB)は、雇用創出および貧困削減を目指した「対ミャンマー支援計画」を発表。2012年〜2014年の中期目標に「インフラの開発」「雇用の創出」「都市部と農村部の間の格差是正」を掲げている。

経済成長率は、2012年に5.5%、2013年に6.3%、2014年に6.5%、将来的には7〜8%を見込む。1人当たり国内総生産GDP)は2030年に平均2000〜3000ドル(約16万円〜24万円)に上ると予想している。

GDPに占める農業分野の割合は36%で、労働力全体の60〜70%を占めている。近年はミャンマーの観光分野に注目が集まり、2011年にミャンマーを訪れた外国人観光客数は前年比26%増の39万2000人に上った。


経済指標

日経平均株価 8946円87銭 前日比+18円58銭(0.2%)
TOPIX 743.32ポイント 前日比+0.99(0.1%)
USD-JPY 79.76〜80.13 ※80.08で前日比+0.316(0.396%)
EUR-JPY 103.34〜104.00 ※103.89で前日比+0.517(0.500%)
10年物債券 利回り0.775% 前日比±0.00%

※為替レートは11月1日23:32時点で前日同時間、Bloombergマーケット速報より。



[日経平均株価][TOPIX] 日本株は小幅続伸、中国統計や円安を好感
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCS4P00D9L3501.html

東京株式相場は小幅続伸。中国の製造業指数が3カ月ぶりに活動の拡大を示したほか、為替の円安基調が好感され、輸送用機器やコマツなど輸出関連株の一角が上昇。海運株も買われ、不動産など内需関連株の一部も堅調だった。

一方、今期に巨額赤字を計上するパナソニックが制限値幅いっぱいのストップ安まで売り込まれ、TDKや住友電気工業、NTTデータといった業績悪化銘柄の下げが顕著。相場全体の上値を抑えた。ただ、業績が悪い一部銘柄にも、悪材料出尽くしから買いが向かっている。

全般的には方向感に乏しい。米国の雇用統計、大統領選の結果次第で相場が波乱になる可能性があり、結果を待ちたいという気持ちがある。大型イベントを通過し、過度な悲観が修復される中、日本株は年末にかけては堅調に推移するとの見方が強い。



[USD-JPY][EUR-JPY] 円全面安、中国減速懸念緩和でリスク選好圧力−対ドル80円台
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCS5OR6KLVRF01.html

東京外国為替市場では、円が主要通貨に対して全面安。10月の中国の製造業購買担当者指数(PMI)の改善を受け、同国の景気減速懸念が和らぎ、リスク選好に伴う円売りが優勢となった。米格付け会社が公債法案をめぐる政治の行き詰まりに懸念を示したことも円の重しとなった。

ユーロ・円相場は朝方に付けた1ユーロ=103円36銭から一時103円89銭まで円売りが進行。ドル・円相場は1ドル=79円76銭から一時80円13銭と、2営業日ぶりの水準まで円安が進んだ。午後3時45分現在はそれぞれ103円71銭、80円01銭前後となっている。

中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日発表した10月の製造業PMIは50.2と、3カ月ぶりに製造業活動の拡大と縮小の境目である50を上回った。先月発表された各種経済指標も良好な結果が目立っており、これから徐々に回復していく見込み。

米オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズは31日、新方式により9月の民間雇用者数を8万8000人増と従来の16万2000人増から修正した。最近はフィラデルフィア連銀や米供給管理協会(ISM)などの企業マインド指数が良くないのに、雇用統計の結果が良好という状況が続いてきたので、今月はその揺り戻しを警戒したい。

11月16日に50億ユーロの13週物証券が満期となるギリシャ政府は、6月以来凍結されている支援融資実行に向け、ユーロ圏および国際通貨基金IMF)と交渉している。ギリシャのサマラス政権は赤字を目標まで削減する時間を2年延長し2016年を期限とすることを求めているが、延長は追加の金融支援を必要にする見込み。同時に、3党から成るリシャ連立政権は支援側が求める労働改革に抵抗している。



[債券] 債券先物は続落、株高・円安受けて一時急落−10年債入札順調が下支え
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCQZ656K50YE01.html

債券先物相場は続落。円安傾向や中国製造業関連の強い指標を受けた国内株高を嫌気して、先物は一時、144円を割り込むなど大幅に下げた。もっとも、その後に発表された10年債の入札結果が順調だったことから相場は下げ幅を縮めた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは前日比横ばいの0.775%で始まり、その後は同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.78%で推移。午後に入ると1bp高い0.785%と10月23日以来の高水準を付けたが、入札結果発表後は0.775%で取引された。

先物相場の下落については、日銀決定会合に向けてロング(買い建て)を積み上げていた海外勢を中心に持ち高解消の売りが出た。株式先物との裁定取引先物売りの要因との見方も示した。なお、月初めで超長期債には生命保険中心に買いが優勢。

今回の10年債の入札について、最低落札価格は100円20銭となり、市場予想を1銭上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は1銭と前回の2銭から縮小。投資家の需要の強さを示す応札倍率は4.05倍と、2010年8月以来の高水準。銀行勢を中心に需要が見られ、応札倍率も高かったことが長期債を下支えしている。



[まとめ]

・中国PMI改善→リスク選好→円売り
・国内公債法案行き詰まり→格下げ懸念→円売り
・円安+中国PMI改善→輸出関連株など上昇
・円安+国内株価上昇→債券売り=価格低下=利回り上昇→10年国債入札で戻す


感想

本文とは全然関係ないんですけど、少し発見がありました。

・現在の日本では「海外移転による投資減少」「政策による利子率低下」が同時に起こっているために、計量データ上、投資は利子率の減少関数にならない。

・「人が亡くなる時に遺産を家族に相続させる動機」について分析する学問は、財政論。財政→税収入→相続税→最適な金額はどうやって決めるか→各関係者のミクロ分析→効用関数を決める→動機を見極める、からだそうです。

アカデミックな議論がなかなか興味深いと感じました。それだけですが。