ついに1ドル=100円を突破!!(05/10)

輸入企業「100円を超えたら…オプションが駄目になっちまう…お前に俺の気持ちが分かるかよ!!」

海外投資家「分かるってばよぉ…」

輸入企業「なんなんだよ…なんで俺に構うんだッ!!」

海外投資家「へへ…俺たち、友達だろ?」

輸入企業「……ふっ、そうだな」

海外投資家「かかったな!!!おらぁぁぁぁあああ!!!円売りじゃあああああ!!!」



【為替】円続落。
約4年ぶりに1ドル=101円台に突入。
ユーロは131円後半まで円安。

【株価】大幅反発。
日経平均株価は14,607円54銭(前日比416.6円高)。
⇒円安による輸出関連企業の収益増加期待に起因。

【債券】大幅下落。
先物6月物は前日比1.02円安の143円70銭。
長期10年債の金利は前日比10.5bp高い0.695%で推移。
⇒円安株高をきっかけにした持ち高解消やヘッジ売りと見られる。
⇒売買を一時停止するサーキットブレーカーが発動された。

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本日のドル高・円安についての情報まとめ。

<異次元緩和>
日銀の黒田総裁による異次元緩和で「円安」方面にシフト。過度の円高が是正される。
債券、リスクマネーを日銀が購入することによって日本円が市場に流出した。

<100円の壁>
80円台を早々に脱したものの、98-99円で円下落が一時停止してしまった。
大手メディアでは「心理的な要因」が強調されているが、輸入企業の存在も大きい。
政権交代まで円高予測が継続してたので100円を突破する想定がなかった。
オプション(為替リスクを軽減する保険のようなもの)の組み方も90円台までの想定。
そのため、100円を越えると損をする輸入企業が円買いで下支えしていたのである。

アメリカ経済>
さらに、先月時点では米雇用統計が(回復基調ではあるが)期待以下の結果だった。
つまり、アメリカ経済=ドルに対する需要が大きいとは言えない状態だった。
ところが、前日の海外市場で状況が一転した。

①新規失業保険申請件数(要するに失業の度合い)が予想外に低下。
FRBによる量的緩和(QE3)が終了することへの期待。
③米30年債の順調な入札。

これらを受けてドルは主要通貨に対して全面高となった。
これまでの「円安」要因だけではなく「ドル高」要因が加わった。

<投機攻撃>

ただし、実際に100円を突破したのは投機筋によるもの。
まず、輸入企業のオプションが順次期限切れを迎える=バリアが薄くなっていた。
その上で、海外投資家が攻撃を仕掛けた。Wall Street Journalの記事が詳しい。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323605404578473782621962850.html

<今後のトレンド>

・米国の実態経済が堅調であることは確認された⇒QE3終了の期待は常に残る=ドル買いの誘因は強い。
・どれだけの時間が必要かは分からないが、105-110円までは落ちるか?
・今後の各国要人の発言によっては一時的な円買いはあり得る⇔IMF「日本の金融政策による為替への影響は過度に非難されるべきものではない」⇒トレンドには影響なし?
・ユーロ圏の実態経済には不安が残る⇒対ユーロでの円高はあり得る。
・少なくとも日本経済に円高要因は見当たらない。

今後1年間で110円まで落ちて行く、と考えるのが妥当か?
つまり今のうちにドルを買いまくっておけということ(←無責任)。