11月09日のマーケット

2012年11月08日のニュース、経済指標などをまとめました。ユーロ・米財政への懸念は依然強いままですがそろそろ市場は落ち着きそうです。


ニュース

●日本1「スズキ会長:輸出国の日本の存在やがてなくなる-米車販売撤退」
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD7N296K50YF01.html

米国の四輪車販売から撤退を決めたスズキの鈴木修会長兼社長は、撤退理由として為替問題も大きかったと指摘した上で、メーカーでは需要地で生産する動きが一層進むだろうと述べ、「輸出立国としての日本という存在はやがてなくなっていくだろう」との考えを示した。

米国進出前後の1970−80年代にかけては、米国で通用する車が世界に通用するという考え方になびいたが、中小メーカーとしては背伸びし過ぎたと述べた。今後は分相応のアジアでやっていくという考えを示した上で、現地で生産する「地産地消」は中小メーカーを中心に進み、雇用もグローバル規模で考える時代になったと語った。

スズキの米子会社は現地時間5日、連邦破産法に基づく更生手続きを申請。四輪車販売事業については為替を含む経済環境や市場動向などを考えると採算性の確保・維持が極めて困難と判断し、四輪車販売事業から撤退するとともに、収益拡大が見込める二輪車・ATV(バギー)・船外機へ事業を集約することを決めた。



●日本2「スパクス:復興ホテルファンド第2弾、新生銀など融資−1000室規模」
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD7A6J6K50ZP01.html

独立系運用会社スパークス・グループは、東日本大震災の復興支援に向け第2号のホテルファンドを組成、36億円を調達した。復興事業に従事する人々に拠点を提供するのが狙いで、1号ファンドの3倍強の規模。

・投資家からの出資
新生銀行などが17億円のノンリコースローン(非遡及型融資)を提供
横浜銀行七十七銀行も参加
大和ハウス工業が中リスクのメザニン債(利率7%)7億円に投資
・メザニン債にはデンソークレックスも投資

2号ファンドは宮城県内の2カ所に計1000室の宿泊施設を建設・運営する。工期短縮のため軽量鉄骨により大和ハウスが施工し、2013年4月の開業を目指す。出資への利回りは10%以上を目指す。

2号ファンドは銀行からの低利ローンの提供があり、1号に比べて出資者へのリターンの点では「進歩した」という。スパークスは1億2500万円を出資するほか、金融商品の私募の取り扱いによる手数料と、2号ファンドのファイナンシャル・アドバイザリー報酬を受け取る。

1号ファンドは利率6%のシニア債(8億円)や、稼働率が想定を上回るなど追加利益が発生した場合に最高15%まで受け取れるメザニン債(2億9700万円)で11億円を調達。宮城県名取市内に314室のホテルを10月1日に開業した。



EU「ECB、新ユーロ紙幣を発表−ギリシャ神話の王女の肖像採用」
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD74R36JIJWS01.html

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、セキュリティ改善のため、ギリシャ神話の絵柄を使った新しいデザインのユーロ紙幣を発表した。ギリシャ神話の主神ゼウスに拉致されたフェニキアの王女で、ヨーロッパ大陸の語源となった「エウロパ」の肖像が採用される。

新紙幣が来年5月の5ユーロ(約500円)札を皮切りに、数年かけて導入されることを明らかにした。10年前に流通が始まった現在の紙幣は、当初は新紙幣とともに流通するが、徐々に回収され、最終的には法定通貨ではなくなる。ただ、旧紙幣は永久に価値を維持し、ユーロシステムの中銀でいつでも交換できる。

中央銀行は通常、セキュリティ改善や偽造防止のため、定期的に紙幣のデザインを刷新する。現在のユーロ紙幣には透かし部分に建築物の絵が使われている。建築物の代わりに人の顔を使うと、偽造が一段と難しくなるとみられている。



●中国「10月のCPI、予想に反し伸び鈍化−食品価格を反映」
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD75VS6JTSEM01.html

中国の10月の消費者物価 は予想に反して伸びが鈍化した。食品価格の上昇率の減速に伴い、2年9カ月ぶりの低水準となった。これは中国当局がインフレ再燃なしに経済成長の支援に成功していることを示唆している。

10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.7%上昇。9月は同じく1.9%の上昇だった。10月の生産者物価指数(PPI )は同2.8%の低下。前月は3.6%低下していた。インフレ率は十分低い水準にとどまっている。ただ、成長回復の兆候が増えていることを踏まえると、中国人民銀行中央銀行)は恐らく様子見姿勢を維持するだろう

胡錦濤国家主席(党総書記)は8日に開幕した第18回共産党大会で、国民1人当たりの所得を2020年までに10年比で倍増する目標を掲げた。工業生産の伸びが持ち直し、7四半期連続の景気減速に伴う雇用への影響を分析する当局は、7月以降維持している金融緩和の見送りを今後も続ける可能性がある。

・CPIの前年同月比上昇率は3年ぶり高水準だった昨年7月の6.5%から低下
・食品価格の伸び鈍化の結果
・10月の食品価格は前年同月比1.8%の上昇=9月の同2.5%上昇を下回る伸び

・中国の代表的な食品である豚肉の価格は10月に同15.8%下落
・CPIを0.6ポイント押し下げる要因となった
・前年同月は38.9%上昇していた

また、
・1−10月の都市部固定資産投資は20.7%増(市場予想20.6%)
・10月の工業生産は9.6%増加(市場予想9.4%)



中南米グアテマラでM7.4の地震-少なくとも39人死亡、100人以上不明」
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD4Q5V6S972E01.html

中米グアテマラの太平洋岸沖合で7日、マグニチュード(M)7.4の地震が発生し、少なくとも39人が死亡したほか、建物や家屋に被害が出た。震は現地時間午前10時37分(日本時間8日午前1時37分)に発生し、国内の大半の地域で揺れが30秒以上続いた。

最大の被害が報告されているのは北西部のサンマルコスで、住宅や建物が倒壊。AP通信によると、サンマルコスへの視察を予定しているというフランシスコ・バルデス大統領は、死者が39人になったと発表。少なくとも100人が行方不明になっており、15人が落下した岩や倒壊した住宅や建物の下で生き埋めになっているもようだという。


経済指標

日経平均株価 8757円60銭 79円55銭(0.9%)安
TOPIX 730.74 前日比4.61ポイント(0.6%)安
USDJPY 79.08〜79.61 ※79.26で前日比−0.209(0.263%)
EURJPY 100.43〜101.75 ※100.65で前日比−0.645(0.637%)
10年物債券 利回り0.73% 前日比1.5ベーシスポイント(bp)低下

※為替レートは11月09日22:53時点で前日同時間、Bloombergマーケット速報より。



[国内株価] 日本株は続落、ギリシャ問題や円高を警戒−輸出や素材、電力下げ
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD6XUZ1A1I4H01.html

東京株式相場は続落。ギリシャ支援問題による海外株安や為替の円高警戒から、電機や輸送用機器など輸出関連、鉄鋼や非鉄金属など素材関連中心に幅広く売られた。決算を受けて急落した住友ゴム工業をはじめ、ゴム製品も安い。

大きなイベントを通過したことで市場の焦点が再びユーロや米国の財政問題に戻ってきた。米国の政策サイドが動かなければグローバル景気の立ち上がりが遅れる懸念。米連邦準備制度理事会議長の再選観測の高まりから、これまで為替の円安による株高ストーリーが修正。国内景気も鈍化する中で日本株の上値を追う材料は年内なくなった。

ユーロ圏の財務相らはギリシャ向け支援資金の支払いを12日の会合で承認せず、今月のもっと遅い時期まで先送りする可能性があると、欧州連合(EU)の当局者が8日、明らかにした。ギリシャの救済条件順守に関するいわゆるトロイカの最終報告を待つ考えだという。

16日に大きな金額のギリシャ短期国債が償還されるためそれに間に合うのかなど懸念材料が多い。遅れが現実化すればデフォルトリスクの浮上によるユーロ離脱問題が蒸し返されかねない。



[外国為替] 円とドル売られる、週末控えリスク回避に一服感−ユーロ反発
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD6Z9Q6K510601.html

東京外国為替市場では、円とドルが反落した。今週はギリシャ向け支援問題をめぐる不透明感や米国の「財政の崖」に対する懸念からリスク回避の動きが進んだが、週末を前にその動きも一服。米株価指数先物が反発する中、中国の経済指標が強めだったこともあり、逃避通貨として買っていた円やドルを売る動きが強まった。

円は主要16通貨全てに対して前日終値比で下落。ドルもほとんどの通貨に対して値を下げた。そろそろ自律反転の可能性もあり、少しリスク回避の流れが後退する可能性がある。中国経済についてもそろそろ底入れとの期待が多少あり、それほど悲観的ではなくなっている。


ユーロ・円相場は前日の海外市場で約1カ月ぶりのユーロ安・円高水準となる1ユーロ=101円03銭を付けたが、この日の東京市場では101円75銭までユーロ買い・円売りが進行。

議会予算局(CBO)は8日付の報告書で、減税失効と自動的な歳出削減が予定通り実施されれば、2013年1−6月(上期)にリセッションに陥るとした従来見通しを確認するとともに、財政の崖の各部分の経済効果についても分析した。


ドル・円相場は米長期金利の低下を背景に前日の海外市場で1ドル=79円32銭と先月30日以来の水準までドル安・円高が進行。その後はもみ合いとなり、この日の東京市場では79円61銭まで円が弱含む展開となった。

目先は米国の「財政の崖」や欧州問題をめぐる思惑が強まりやすいが、日本の景気も下向きで、国内政治や財政への懸念、対外収支の悪化などから、円高もそれほど進まないと予想。ドル・円でみて79円台をブレイクするような形で円高が進み、介入警戒感が強まるような図式は見込みにくい。

実際に崖が崩れ落ちるようなことも想像しにくく、催促相場的な意味合いでリスク回避が進んだところに、欧州のネガティブな話が後押ししたというのがきのう、おとといの相場だった。週末に向けては、米国が三連休ということもあり、新たな悪材料が出なければ、調整が出やすいと予想される。



[債券] 債券続伸、米債高で先物3カ月半ぶり高値−長期金利0.72%接近で警戒
Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD6WKX6JIJV401.html

債券相場は続伸。前日の米国債相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行し、先物は3カ月半ぶり高値圏まで達した。その後は、長期金利が9年ぶり低水準の0.72%に接近したことへの警戒感から相場の上値は重くなった。

米国債ドイツ国債の利回り低下で買い安心感がある。昨日の流れを引き継ぎ、40年債に買いが集まった。20年債には銀行勢、30年債には生保の買いが入っているようだ。半面、10年債は上値が重い。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは同1.5ベーシスポイント(bp)低下の0.73%と、8月3日以来の低水準で開始した。しばらく同水準で推移したが、午後2時半過ぎに0.735%を付けた。その後は再び0.73%に下げている。

長期金利が7月下旬に記録した2003年6月以来の低水準となる0.72%に接近したことで、市場では相場に対する高値警戒感も出ている。また、年内解散・総選挙への観測がさらに買い進むことを躊躇させる材料になる。

米10年金利が7月末以降の節目1.55%を明確に割り込むなど本格的にリスクオフを進める意思をみせるまでは、日本では0.72%が抵抗線として意識される。海外市場はリスクオフ(回避)の展開で株安・債券高の構図も鮮明だ。現物と先物ともに買いが入っているが、目先は超長期債の利回りが下がりやすいとみている。



[まとめ]

・ユーロ+米財政問題→安全資産として円に逃避+景気悪化。
・円逃避→円高+債券価格上昇(利回り低下)
円高+景気悪化→株価マイナス
・株価マイナス→債券価格上昇(利回り低下)
・とはいえ市場が落ち着き始めている。土日に調整か。


今日のひとこと

眠すぎて発狂しそう。エグリン。
なのに今日は寝れないかもしれん。

インドネシアの個人向け金融の話が面白すぎる。
後日どこかにまとめるかもです。