11月14日のマーケット

2012年11月14日のニュース、経済指標などをまとめました。野田総理衆議院解散に関する発言を受けて、市場は総選挙の行方を見守る形になりそうです。

もくじ

[ニュース]
・邦銀3メガ:保有株の圧縮が課題に、減損が本業利益4分の1に
日本郵政:IPO準備でアドバイザー選定へ−国内外銀証が始動
ソニー:海外でCB1500億円、8割は投資・出資の資金に

[用語メモ]
・PRB(株価純資産倍率)
・バリュエーション(Valuation)
テクニカル分析(Technical analysis)
ストキャスティクス(Stochastic oscillator)

[経済指標]
日経平均8日ぶり小反発、ノンバンクや不動産株買い−素材軟調重し
・円一段安、政権交代なら日銀緩和圧力との見方-対ドル79円後半
・債券は続落、あすに20年債入札控え売り優勢−野田首相衆院解散表明


ニュース

●邦銀3メガ:保有株の圧縮が課題に、減損が本業利益4分の1に
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDGH8E6S972E01.html

大手邦銀の4−9月期の連結決算が14日出そろった。純利益合計が4割減となった最大の要因は、前年同期比の3倍に膨らんだ政策保有株の下落に伴う損失だ。株式相場に左右されにくい経営を確立するため、各グループでは継続的な圧縮が今後の課題となる。

純利益は三井住友FGがノンバンク部門の好調で5.5%増の3310億円を確保したが、三菱UFJが58%減の2905億円、みずほFGが28%減の1843億円。3グループ合計では36%減の8058億円となった。国内景気の低迷で本業融資が伸び悩みむ中、株式の減損処理などの損失計上額は5340億円に上った。業務純益の4分の1以上の金額だ。

日銀統計によれば、1993年以降の日本の銀行の株式保有残高は97年10月の47兆9500億円をピークに減少を続け、12年8月では16兆1600億円と3分の1にまで減った。大手行では保有株を自己資本金額の一定範囲内に抑える方針を取っているが、それでも経営に大きな影響を及ぼした。これがなければ各グループとも大幅な増益だった。

・みずほでは3行統合以来、急速に政策保有株を減らしてきたが、佐藤康博社長は決算会見で今後もさらに圧縮を進めていく意向を示した。

・三井住友の宮田孝一社長も「減損出たのは重く受け止めている」とし、2年半前から減損も含めて約3000億円を減らしたが、さらに削減する考えを表明。

・三菱UFJの永易克典社長は、4年ほど前から6000億−7000億円減らしたとした上で、「あと数千億円残っているが、それを着実にやっていく」と述べた。

日経平均株価 はこの半年で12%下落した。国際競争力の低下で業績悪化しているシャープや原発事故の賠償問題を抱える東京電力など、特に大手行がメーンバンクを務め、一定数量を保有する企業の株価下落も目立った。減損でリスクが顕在化した株式の持ち合いを減らしていくにこしたことはない。


今後は国内の貸し出し残高が伸びるようになるか、国債より利ザヤが厚い融資を収益拡大のドライバーにしていけるかどうかが鍵になる。

4−9月決算ではグループ合計で、国債金利の低下(価格上昇)に伴う債券売買益などでその他業務利益が32%増の6807億円に増加。融資では海外貸出残高(傘下銀行合算)が9月末比15%増の38兆6347億円と健闘したが、国内融資の低迷で業務純益は13%増の1兆9330億円にとどまった。前年同期の3グループとも与信関係費用は改善した。

「海外貸付拡大と利ざやの下げ幅縮小」がメガバンクの業績で今後の焦点になる。また業績が悪化している電機メーカーに対しては、各行の自己資本の水準が高いため十分に対処できると見られている。


通期見通しも、債券の含み益があるので達成の確度は高い。通期の純利益予想は三井住友が5400億円(従来予想4800億円)に増額。みずほは5000億円(4845億円)、三菱UFJは6700億円(9813億円)と従来予想・目標を据え置いた。

三井住友とみずほは増益予想だが、モルガン・スタンレーの関係会社化が前年同期に大きく寄与した反動で三菱UFJは減益を見込んでいる。合計では前期比14%減となる。

三井住友の宮田社長は海外貸出について「3年で6兆円の目標は1年半で3.4兆円まできた」とし、欧州債務危機なども背景に順調に拡大していると指摘。海外収益比率は30%に上昇し、中期計画の目標を概ね達成したと述べた。

金融安定化理事会(FSB)は1日、三菱UFJを世界の金融システム上重要な銀行として米ゴールドマン・サックスと同じカテゴリーに認定。自己資本比率規制で1.5%(従来は1%)の上乗せ対象となり、普通株式TIER1(狭義の中核的自己資本)で8.5%が求められるなど大手邦銀のプレゼンスは高まっている。

三菱UFJの永易社長は、同比率は9月末で「10%程度となり十分な水準を確保している」と強調。その上で、自社株買いや配当など株主還元策も考慮しながら、「将来の成長に向けて資本を使っていきたい。M&A(企業の合併・買収)やリスクアセットを伸ばす使い方もある」と収益拡大に意欲を見せた。


【12年4−9月期連結決算の概要と通期予想】
    株式等  4-9月期 通期
業務純益 与信費用 関係損益  純損益  純利益予想

                                                                                                                          • -

三菱UFJ 8348 -623 -1736 2905 6700
      (7997) (-287)  (-968)  (-58%)  (-32%)

                                                                                                                          • -

みずほ 4993 60   -2276 1843 5000
(3514)   ( 132) (-606) (-28%)  (3.1%)

                                                                                                                          • -

三井住友 5988 -480 -1329   3310 5400
(5614) (-280) (-121) (5.5%) (4.1%)

                                                                                                                          • -

注)単位億円。業務純益、与信費用、株式等関係損益のカッコ内は前年同期の実額。
純損益、通期純利益予想のカッコ内は前年同期比%。三菱UFJは通期純利益予想でなく目標。



日本郵政:IPO準備でアドバイザー選定へ−国内外銀証が始動
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDG9PO6K510N01.html

日本郵政グループは2015年をめどに計画している新規株式公開(IPO)に向け、国内外の金融機関の中から近く、アドバイザーの選定に入ることが分かった。IPOは4兆円を超える大型案件になるとみられ、銀行や証券各社はディール獲得に向けて早くも動き出した。

政府が全株を保有する日本郵政のIPOは、1987年のNTTを超え、日本で最大規模の民営化案件となる可能性がある。投資銀行業務の拡大を目指す国内や海外の銀行グループ、証券会社はアドバイザーや引き受け主幹事獲得に意欲を見せている。一方、政府は早期売却により東日本大震災からの復興財源などを確保したい意向だ。

改正郵政民営化法では日本郵政株について、3分の1超を政府が保有し、残りはできる限り早期に処分すると規定している。なお、売却は段階的になる見通し。

日本郵政は12年3月期で4689億円の最終利益を確保した。経常収益に占める生命保険事業の割合は75%、銀行業務が13%で、郵便業務は10%となっている。14日発表の中間期(4月ー9月)連結業績によると、純利益は2369億円の黒字で、前年同期比で2.7%伸びた。純資産は11兆2000億円。

現在、日本郵政傘下のゆうちょ銀行は住宅ローンとそれに付随する火災保険や個人ローン、人向け融資など新規業務の認可を申請中で、13年4月から開始したい意向だ。三菱UFJやみずほなどの大手銀行グループや全国地方銀行協会は株式の政府保有が続くなど暗黙の政府保証が残るうちは容認できないと反発している。



ソニー:海外でCB1500億円、8割は投資・出資の資金に
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDGTXF0YHQ0X01.html

ソニーは米国を除く海外市場でユーロ円建ての転換社債型新株予約権付社債(CB)1500億円を発行する。期間は5年。CB発行は約9年ぶり。転換価格はソニー株の14日終値870円に10−20%上乗せした水準で、同日夜に決定見込み。ゼロクーポン債の形により金利負担の最小化が図れる、と説明している。

調達資金の使途はそれぞれ、中核事業と位置付けるイメージセンサー(撮像半導体)の生産増強投資600億円、オリンパスへの出資500億円、米ゲーム開発会社ガイカイの買収資金の一部100億円。残り300億円は来年3月の社債償還に充てる。

発行日は11月30日で、欧州を中心に起債し、表面金利を付けないゼロクーポン債とする。募集価格は額面の102.5%。共同主幹事はJPモルガン、ゴールドマン・サックス、野村インターナショナル、SMBC日興証券

転換社債は最もコストが低く、市場へのインパクトが抑えられる調達法。パナソニックやシャープとは違いソニーが今期の純損益予想を黒字としている点からすれば「株価はPBR(株価純資産倍率)を見れば、十分に割安な水準だ」とのこと。


一方で「電機業界への社債投資家の見方が厳しくなっており、CBしか調達方法がなかったのだろう」との見方も。発行に伴い、現在の時価総額換算で潜在株式数が約17%増えるとの試算。ソニーの信用格付けに関しては引き下げが相次ぎ、米ムーディーズは9日、投資適格で最低の「Baa3」に下げていた。


用語メモ

●PRB(株価純資産倍率)

via http://kabukiso.com/apply/useinfo/pbr.html

・PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株あたり株主資本(BPS)
・1株あたりの株主資本(BPS)=株主資本÷発行済み株式数

株価が下がったり、一株あたりの株主資本が上がることにより、PBRが下がり、割安になる。『PBR=1倍』というのが評価基準。理論上は、PBRは1倍を下回らないと考えられるので、「PBRが1以下」の会社は割安性が極めて高いといえる。

仮に会社が仕事をやめて解散するとしたら、総資産から支払い義務のある費用を全て支払い、従業員に所定の給与や退職金を払って、それでも資金が残った場合はそれらは全て株主の物となる。

もし仮に、PBRが1以下の株式会社が解散した場合には、(持ち株数に応じて株主資本を受け取る権利があるので)株主が儲かる計算になる。なので、業績が良いのにPBRがあまりにも低い場合は、解散価値(PBRはどうなのか?)が意識されて、株価の下支えの要因になることもある。



●バリュエーション(Valuation)

via http://www.ifinance.ne.jp/glossary/investment/inv097.html

投資の価値計算や事業の経済性評価のことをいい、本用語は主に「資産運用(株式投資)」や「ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス(M&A・企業再編等)」で使われる。

前者の資産運用(株式投資)においては、企業の利益や資産などの本来の企業価値に対して、株価が相対的に割安か割高かを判断する際の指標として使われ、その代表的なものには、株価純資産倍率(PBR)、株価収益率(PER)、株価キャッシュフロー倍率(PCFR)、配当利回りなどがある。

後者のファイナンシャル・アドバイザリー・サービス(M&A・企業再編等)においては、投資(買収)案件の実施判断や複数案件から最良な案件選択をする際に行う「企業価値評価」のツールとして使われ、その代表的なものには、正味現在価値(NPV)、ペイバック(回収期間)法、会計上の収益率、内部収益率(IRR)、経済的付加価値(EVA)などがある。



テクニカル分析(Technical analysis)

via http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%AB%E5%88%86%E6%9E%90

主に株式・商品取引・為替等の取引市場で、将来の取引価格の変化を過去に発生した価格や出来高等の取引実績の時系列パターンから予想・分析しようとする手法である。

将来の取引価格の予想を需給、収益性評価およびそれらの背景となる経済情勢分析に基づいて行う手法であるファンダメンタル分析と相対する概念である。テクニカル分析ファンダメンタル分析以外にはアノマリーがある。

考え方を大別すると次の2つに分けられる。
 1. 取引価格の上昇トレンドと下落トレンドの転換を見出す方法。
 2. 取引価格に対する値頃感、変動値幅を算出する方法。

実行する方法として、
 ・ チャート分析による図解的手法判定方法の意味づけ、人間による視覚的判断
 ・ コンピュータで数値的に計算する手法分析の自動実行、分析チャートの作図
があり、相互に関連している。

→テクニカル指標一覧:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%AB%E6%8C%87%E6%A8%99%E4%B8%80%E8%A6%A7



ストキャスティクス(Stochastic oscillator)

via http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9

米国のチャート分析家ジョージ・レーン(George Lane)によって1950年代に考案されたテクニカル指標。オシレーター(値幅分析)系指標の一種。 逆張りの投資手法において、よく用いられる指標である。

%K、%D、Slow%Dという3つの数値を使用する。Slow%Dは%SDやSDと表記されることもある。%Dラインがより重要であり、主要な相場転換シグナルを発する。変化に対する敏感さは、%K > %D > Slow%D の順である。

 ▪%K
  ▪%K={ (C−L9)÷(H9−L9) }×100%
  ▪C:当日終値
  ▪L9:過去x日間の最安値。xとしては、14, 9, 5 などが使用されることが多い。
  ▪H9:過去x日間の最高値

 ▪%D
  ▪%D=(H3÷L3)×100%
  ▪H3:(C−L9)のy日間合計。(C−L9)の単純移動平均。y=3が多い。
  ▪L3:(H9−L9)のy日間合計。(H9−L9)の単純移動平均

 ▪Slow%D
  ▪Slow%D=%Dのz日の単純移動平均。zとしては、3が使われることが多い。

上記は日足での説明であるが、分足など他のタイムスケールでも同じ計算式である。高値・安値の組み合わせではなく、終値のみを使用する方法もある。また、Slow%Dの計算方法として、単純以外の移動平均を使用する場合もある。


経済指標

日経平均株価 8664円73銭 前日比3円68銭(0.04%)高
TOPIX 722.41 0.15ポイント(0.02%)安
ドル・円 79.38〜80.31 ※80.24で前日比+0.853(1.074%)
ユーロ・円 100.82〜102.40 ※102.25で前日比+1.406(1.394%)
10年物国債 利回り0.75% 前日比+2ベーシスポイント(bp)

※為替レートは11月15日01:29時点で前日同時間、Bloombergマーケット速報より。



●国内株価「日経平均8日ぶり小反発、ノンバンクや不動産株買い−素材軟調重し」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDG7640UQVI901.html

東京株式相場は、日経平均株価が8営業日ぶりに小反発。上期決算が大幅増益だったアイフルを中心にその他金融株が高く、不動産や証券、情報・通信株も上げた。国内主要メディアで、米インテルが最大400億円程度出資する方向で調整中と伝えられたシャープも大幅高。

半面、非鉄金属や繊維製品など素材関連、ゴム製品や石油・石炭製品といった景気敏感業種が安く、相場全般の上値を抑えた。個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ、日立金属、日立電線、THK、住友商事ファナックが下げた。


株価純資産倍率(PBR)の低さなどに着目した買いが入る一方、欧米の財政や経済情勢に対する先行きが懸念され、TOPIX、日経平均とも前日終値を挟む小幅なレンジで終始もみ合った。日経平均の日中値幅はわずか26円91銭にとどまり、昨年2月8日以来の小ささだった。

米国でのフィスカルクリフ(財政の崖)問題があるほか、国内も衆院解散・総選挙が意識され始める中、「あえて今、動く必要性はない」と考える投資家が多い。企業決算の発表も峠を越え、銘柄入れ替えの動きも一巡した感がある。

バリュエーションや一部のテクニカル指標では値ごろ感が鮮明なこともあり、自律反発の機運は高まりつつある。TOPIXのPBRは14日時点で0.86倍と、理論上の会社解散価値に当たる1倍割れ。日本の10年国債利回りが0.7%台であるのに対し、TOPIXの予想配当利回りは2.6%あり、ストキャスティクスなどテクニカル指標も、短期的な相場の売られ過ぎを示していた。


債務問題を抱える欧州では、ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が13日に発表した11月の独景況感指数は期待指数 が前月比4.2ポイント低下のマイナス15.7と、市場予想に反し悪化した。米国では、歳出削減と大型減税の失効が同時に発生する「財政の崖」への警戒が続き、前日の米国株は取引終了にかけ下げに転じた。

ファンダメンタルズでは、欧州や中国経済が減速してきた影響などから内需も弱ってきており、実体経済は厳しさを増している。日本銀行による一段の追加緩和期待だけが支え。

野田佳彦首相と自民党安倍晋三総裁らとの党首討論は、きょう午後、取引終了後に開催。首相は自民党衆院定数削減を約束してくれれば、今週16日に衆院を解散してもいいと表明した。



外国為替「円一段安、政権交代なら日銀緩和圧力との見方-対ドル79円後半」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDG8M86JIJWC01.html

東京外国為替市場では、円が主要16通貨に対して一段安の展開となった。野田佳彦首相が衆議院解散の方針を表明したことを受けて政権交代の可能性が生じる中、国内景気の先行き懸念を背景に日本銀行への追加緩和圧力が強まるとの見方から、円売りが活発化した。

ドル・円相場は午後の取引で一時1ドル=79円88銭と、4営業日ぶりの円安値を付け、午後4時25分現在は79円85銭前後で取引されている。また、円は対ユーロで一時1ユーロ=101円55銭と、3営業日ぶりの水準まで下落幅を拡大。前日の海外市場では一時100円33銭と、10月11日以来の高値を付けていた。

日本は先進国の中でも相対的に安全資産として評価されてきたが、ここにきて景気の悪さが目立ってきている。必ずしも円買い圧力が強まる状況ではない。目先は米欧の情勢を見極める必要があり、材料に乏しい中で、衆院の解散・総選挙となれば、政権交代で日銀に対してのプレッシャーがかかりやすくなるとの思惑が円安を後押ししている面がある。

また、政府は13日、11月の月例経済報告で景気の基調判断を引き下げる方向で調整に入った。下方修正は8月から4カ月連続となる。12日に発表された日本の7−9月の実質国内総生産(GDP)も、(GDP)速報値は、前期比年率で3.5%減と、昨年10−12月以来、3四半期ぶりのマイナス成長となった。

日本はリセッション(景気後退)に陥っている可能性がある状況下で、自民党政権誕生の公算も非常に強い。そうなれば、日銀に対する緩和圧力が相当きつくなるとみられ、米欧の財政問題の不透明感でリスクオフ(回避)の円買い圧力が残るものの、冷静に考えれば円安要因も当然ある。

安倍自民総裁は今月7日に都内での講演で、政権奪還後に「日銀と政策アコードを結び、インフレターゲットを設けたい」と発言。その上で、「あくまでも3%達成するまでは基本的に無制限に金融緩和をしていただく必要がある」とし、「日銀総裁および日銀にはコミットしてもらい、達成できなければ責任を取ってもらう」との見解を示している。



●日本国債「債券は続落、あすに20年債入札控え売り優勢−野田首相衆院解散表明」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDF2TU6K50ZG01.html

債券相場は続落。あすに20年国債の入札を控えて、それに向けた売りが優勢となった。野田佳彦首相が16日の衆院解散を表明したことで、先物は夜間取引で一段安となっている。

野田首相民主党代表)は14日午後、自民党安倍晋三総裁との党首討論で、16日に衆院を解散する方針を表明した。市場にとって目新しいことではないが、その後の政権交代自民党の安倍総裁が首相になれば、円債にネガティブな方向との指摘。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.735%で始まり、午後4時半すぎには0.75%と8日以来の水準まで上昇した。

債券相場はあすの20年債入札を控えて調整の動きで弱含み。同入札については、「利回り曲線上で妙味があり、無難な結果になりそう。海外債券市場で利回り曲線は平たん化しており、超長期債が買われる流れがもう少し続く見通し」との見方が示されている。

財務省は15日午前、20年利付国債(11月発行)の入札を実施する。新発20年債利回りは1.6%台半ばから後半で推移しており、表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント低い1.6%か、横ばいの1.7%となる見込み。発行額は前回債と同額の1兆2000億円程度。

総選挙となれば、世論調査政党支持率で首位を走る自民党を中心とする政権が誕生する可能性が高い。同党の安倍総裁はインフラ整備や日銀による「従来の常識を超えた大胆な」金融緩和などを主張している。財政拡大への懸念が高まり、来年4月以降、日銀の政策が様変わりし、株高・債券安の政策が先々には待っている。



●まとめ

・株価は膠着状態
・欧米の財政/経済情勢&国内政治の先行き懸念+企業の決算発表の峠を超えた
・指標に割安感&売られ過ぎ+好業績やニュースでの後押しで多少の買いも

・円安/外貨高(円が売られた)
・国内GDPと景気の下方修正+野田佳彦首相の衆議院解散発言
→日銀による追加緩和が予想される

国債価格低下/利回り上昇(国債が売られた)
・明日の20年国債入札を控えた調整売り
衆議院解散発言による金融緩和&財政拡大の懸念


今日のひとこと

最後のまとめみたいな感じで各項目を3行で説明できれば十分な気がしてきた。
でもきちんとメモをしないとポイントを逃しそうで何とも言えないです、はい。