11月22日のマーケット

2012年11月22日(木)のニュース、経済指標などをまとめました。
連休前でややニュースが多めなので、連休中に消化します。

ニュース

イスラエルハマスが停戦合意、経済封鎖緩和など交渉へ
http://www.cnn.co.jp/world/35024742.html

イスラエルパレスチナガザ地区を支配するイスラム組織ハマスの間で21日、停戦が成立した。14日から8日間に及んだ戦闘の犠牲者は、150人に迫っていた。



●中東の政治力学に変化 イスラエルハマスの衝突の影響で
http://www.cnn.co.jp/world/35024774.html

今回の紛争を受けて中東では政治力学に変化が起きつつある。
「勝ち組」は

・停戦交渉の仲介役として手腕を発揮したエジプトのムルシ大統領
・選挙を数カ月後に控え、ハマスの軍事部門の指導者を殺害しガザの空爆を実施したネタニヤフ首相
・従来以上の正統性を獲得したハマス

一方、パレスチナ自治政府アッバス議長や主流派組織ファタハ、イランは、ハマスに対する影響力が弱まった「負け組」と言える。


経済指標

●国内株価

日経平均5月来高値、輸出中心買い続く−円安進行で収益期待
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDV0Q40YHQ0X01.html

・東京株式相場は続伸。
・TOPIX の終値は前日比9.42ポイント(1.2%)高の776.43。
日経平均株価は前日比144円28銭(1.6%)高の9366円80銭。
=ことし6月を底とした戻り相場の高値(終値で9232円、9月19日)を更新。
=6カ月半ぶりに9300円台に乗せた。5月2日以来の高値。

これまでリスクオフで円が買われていたが、貿易赤字衆院選後の金融政策への期待など、日本独自の円安材料が出てきている。

・日本の貿易赤字や米経済統計の堅調を受けた円安進行+中国景気の改善期待
→自動車や機械など輸出関連株に買いが先行。
→朝方の買い一巡後は上値の重い展開が続く。
→終盤にかけて再び騰勢を増し、日経平均はきょうの高値で引けた。

・ばら積み船運賃市況の連騰→海運株も高い。
非鉄金属や鉄鋼など素材関連株も上昇。
・株高→証券株の上げも目立った。



外国為替

円が対ドル4月上旬以来の安値、日銀緩和観測根強い-82円半ば
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDV30C6JTSEB01.html

ドル円相場は朝方に一時82円59銭と、4月4日以来の円安値。
・その後は円売りがやや一服して82円36銭まで値を戻したが、上値は限定的。
・午後3時56分現在は82円50銭付近で取引。
・日中の値幅は23銭にとどまった。

・14日から21日まで6営業日連続でドル高・円安が進行。
相対力指数(RSI、14日間)は円の売られ過ぎを示す70を上回っている。

自民党の政権復帰の可能性に対する前倒しの期待感が大きく、日本銀行への金融緩和圧力がより強まるとの観測が根強い。ここまでドル高・円安が進んで、行き着くところまでいかないと気が済まないような相場になっている。円安基調はなかなか終わらない様子。

自民党は21日午後、来月の衆院選で掲げる政権公約を発表。「欧米先進国並みの物価目標(2%)を政府・日本銀行のアコード(協定)で定めるとともに、日銀の国債管理政策への協調などにより大胆な金融緩和策を断行」と明記した。その上で、「日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを整える」ことも示した。

ここ1週間の政局に対して、マーケットが危機感を持ってきた。日銀の独立性や財政の面で「非常に危険」な公約であり、円は今まで避難先として買われる通貨だったのが、一変するリスクがあるとのこと。


・円は対ユーロでも一時1ユーロ=106円26銭。
・5月2日以来の水準まで下落。
・同時刻現在は105円97銭前後での推移となっている。

20日から21日早朝にかけて行われたユーロ圏財務相会合ではギリシャ向け支援をめぐる合意が先送りになったものの、26日に開かれる次回同会合に向けて合意への期待感が生じている。ドイツのショイブレ財務相は、幾つかの「技術的な問題」があるものの、ユーロ圏諸国がギリシャ債の買い戻し案を支持する考えで一致していると語っている。

ギリシャの問題は長引いているものの、来週にはとりあえず、次のトランシェはなんとなくいけそうな見込みにはなっているので、どちらかというと欧州の方は落ち着きつつある。



●日本国債

債券は続落、円安・株高受け売り先行−自民公約警戒で超長期債が安い
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDUBYB6JIJW701.html

債券相場は続落。前日の米国市場での債券安・株高に加えて、円が約7カ月ぶりの円安・ドル高水準となったことへの警戒感が強まった。自民党政権公約での金融緩和要求は利回り曲線のスティープ(傾斜)化要因との見方などから超長期債は売りが優勢となった。

・現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債
・前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.74%で開始し、午前は同水準で推移。
・午後に入ると横ばいの0.735%で取引された。

長期金利は0.75%がいったんの押し目買いターゲットになると予想されるが、円安のトレンドが止まらないため、株高を伴って債券の売りを促していた。

金融緩和要求は短期市場にはポジティブだが、超長期スワップにはネガティブ。円安に伴い仕組債を通じた超長期スワップの受け(債券買いに相当)圧力が後退。投機勢は、円安と組み合わせて超長期ゾーンのスティープ化を狙う、日本売りトレードを仕掛けると、現物超長期債にも売りが出てきやすいとみている。

・東京先物市場で中心限月の12月物は4日続落。
・前日比6銭安の144円50銭で始まる。
・直後に15日以来の安値となる144円47銭まで下げた。
・徐々に水準を切り上げ、午後1時前後には2銭高の144円58銭まで上昇した。
・その後はもみ合いとなり、2銭安の144円54銭で引けた。

債券市場は安倍総裁の積極的な金融緩和策の実現性や効果に懐疑的だが、為替市場では海外勢を中心に今度こそデフレ脱却との期待がある。仮に政策期待がはがれても、国民は円安・株高を促す自民党を支持する可能性があり、日銀への圧力は掛かり続ける。簡単にはフラットニング(平たん化)していかない。


まとめ

自民党への期待+日本の貿易赤字→円安基調。
ギリシャが一旦落ち着く→対ユーロで日本円が下落。
・米経済指標の改善→対ドルで日本円が下落。

・円安+中国景気の改善期待→株価高(特に輸出関連株)。
・ばら積み船運賃市況の連騰→海運株も上昇。
・輸出関連株の上昇→他の国内株を牽引→株高を受けて証券株も上昇。

・円安→国債売り=債券価格上昇=債券利回り低下
・買い戻しで10年債は横ばい/超長期債は売り。


今日のひとこと

・ようやく東博出雲大社特別展に行けた。宇豆柱は鳥肌が立ちました。
・読書、運動、旅、人付き合いは、多ければ多いほど資産になるなぁと感じたり。