12月03日のマーケット

12月03日(月)の経済指標をまとめました。
トンネル事故がマーケットにも反映されています。

要点

・「財政の壁」懸念→米ドルは対円/対ユーロともに下落
ギリシャ問題に解決期待→ユーロは対円/対米ドルともに上昇
・日本円=対ドルで上昇(円高方向へ)、対ユーロで下落(円安)

・金融緩和期待+円安+中国経済統計の改善基調→株価上昇。
・笹子トンネル崩壊事故→同構造トンネルの補修需要→建設株が急上昇。
・建設や不動産などの内需関連株、輸出関連株、素材関連に買い。

長期金利の低水準→反動売り→買いに転換。小幅続伸。
・午後に国内株価が軟化→債券にシフト。
・あす10年債入札→投資家からの需要が見込まれる→買い。


国内株価

日本株は3日続伸、老朽化インフラ整備見込み建設株急伸−終盤失速 - Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEFDW21A1I4H01.html

3日続伸。TOPIXの終値は前週末比0.27ポイント(0.03%)高の781.73。日経平均株価は12円17銭(0.1%)高の9458円18銭。両指数とも終盤に失速した。先週後半は輸出を中心に外需依存度の高い業種を中心に買われたが、きょうは建設、不動産といった内需関連株が上がった。

要因1:中央自動車道のトンネル崩落事故。
 同構造トンネルの補修需要などが見込まれ、建設株が急伸。

要因2:衆院選を前に根強い金融緩和観測。
 恩恵業種の不動産株が上昇。先週の上げが鈍かった。
 不動産市況の底入れ・改善期待も買いを誘う要因。

要因3:3月期決算企業の中間配当が支払われる時期に差し掛かる。
 配当金を元手にした機関投資家などによる買いも入りつつある。

要因4:為替が直近の円安水準で推移。
 輸出関連株の一角も堅調。

要因5:中国経済統計の改善基調。
 非鉄金属やガラス・土石製品、繊維製品など素材関連株も上げた。
 11月のPMIは前月比0.4ポイント上昇し、50.6となった。
 製造業活動の拡大を示す50の節目を2カ月続けて上回った。

山梨県の中央道上り線笹子トンネルで2日、崩落事故が発生し、9人の死者が出た。国土交通省道路局は、各高速道路会社に笹子トンネルと同種のトンネルの緊急点検を早急に指示する方針だと明らかにした。共同通信が3日に伝えた中日本高速道路の会見では、大きな原因は老朽化と考えられると説明されたという。


外国為替

ドル下落、米財政の崖懸念で売り−対ユーロ1カ月ぶり安値 - Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEFFY16S972D01.html

[USD]

東京外国為替市場ではドルが下落。対ユーロでは約1カ月ぶりの安値を更新し、対円でも1ドル=82円台前半を中心に上値の重い展開となった。米国で「財政の崖」回避に向けた交渉が難航していることから、景気の先行き不透明感を背景にドル売り圧力がかかった。

前週末の海外市場で一時82円75銭と、6営業日ぶりのドル高値を付けていたドル・円相場は早朝に一時82円27銭まで下落。82円51銭まで値を戻す場面も見られたが、午後3時15分現在は82円34銭付近で取引されている。

オバマ米大統領は11月30日、財政交渉が長期化する恐れがあるとの見解を示し、共和党のベイナー下院議長は、協議が行き詰まっていると発言。前週の米国債相場は財政の崖を回避できずにリセッション(景気後退)入りする可能性があるとの懸念を背景に、週間ベースで3週間連続で上昇している。

米国では今週、雇用統計を含めて経済指標の発表が多く、雇用問題などファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に焦点が戻る可能性があると言い、弱い指標結果を受けて追加緩和期待が高まると、ドルが売られる展開もあり得る。


[EUR]

ユーロ・円相場は前週末の海外市場で一時1ユーロ=107円67銭と、4月23日以来の水準までユーロ高が進行。この日の東京市場でも107円台を維持し、午後3時15分現在は107円30銭付近で取引されている。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、欧州安定化メカニズム(ESM)と欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の格付けを引き下げた。両者を支える国々の間の信用リスクの高い相関関係を指摘している。

しかし、今日からの財務相会合・来週の首脳会合について、債務問題の解決に向けた期待が強いようだ。ドイツ連邦議会(下院)は11月30日に最新のギリシャ救済パッケージを承認した。メルケル首相は独紙ビルト日曜版とのインタビューで、ギリシャの財政収支が黒字に転換すれば、欧州首脳が債務の減免を検討する可能性があると語っている。


債券

債券先物続伸、株軟化や10年入札で需要見込めるとの声−超長期は安い - Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEFCWB6JIJUX01.html

債券先物相場は小幅続伸。長期金利が前週に9年ぶり低水準を更新した反動で売りが先行したが、午後に株価が軟化したことに加え、あすの10年債入札で投資家からの需要が見込まれるとの観測から上昇に転じた。

・現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは前週末比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.705%で始まり、その後は0.71%に上昇していたが、午後2時半前から再び0.705%で推移した。前週末には一時0.695%と、2003年6月27日以来の0.7%割れを記録した。

・東京先物市場で中心限月の12月物は6営業日続伸。前週末比3銭高の144円89銭で開始し、144円90銭までいったん上昇。直後から水準を切り下げ、144円81銭まで下落した。午後に入って、株価が伸び悩むと水準を切り上げ、一時は5銭高の144円91銭と中心限月の日中取引で2003年6月以来の高値を付け、結局は1銭高の144円87銭で引けた。

・6日に30年債入札を控えて超長期債が安い。20年物の140回債利回りは一時1.5bp高い1.685%と約1週間ぶり高水準を付けた後、1.68%で推移した。30年物の37回債利回りも一時1.5bp高い1.955%と11月22日以来の高水準を付けたが、午後1時半すぎから1.95%。40年物の5回債利回りは0.5bp高い2.145%。

あすの10年債入札で表面利率を0.8%に維持するための売りが出るとの見方もあったが、そうならなかったのは、市場で0.7%でも大丈夫と判断したから。新しい回号に加え、価格100円以下の可能性が出ている。相場水準は高いが、ボラティリティ(変動率)は低いということもあり、入札では相応の需要が見込める。


今日のつぶやき

Blog:ニュースをどうするか考え中。
Life:カフェでの自称30代女子の恋愛トークが面白過ぎて作業に支障が…。
Econ:トンネル工事で公共事業・コスト問題が再指摘されているようです。安全がお金で買える以上、これは経済の問題なんですよね。何はともあれ、故人のご冥福をお祈りするとともに、遺族の方にお悔やみ申し上げます。