12月06日のマーケット

12月06日(木)の経済指標をまとめました。

概要

・米経済指標でゆるやかな回復+財政協議の進展期待→ドル買い=ドル高
・ユーロ圏の債務問題は後退⇔経済指標は悪化:景気先行き懸念→ユーロ売り=ユーロ安
自民党が優位との報道→日銀緩和圧力に期待→円売り=円安
・円は対ドルで下落、対ユーロでやや上昇。

・米経済回復+円安+自民政治期待→輸出関連、金融、素材関連、電力を中心に買い。
・株買い→株価上昇→日経、TOPIXともに上昇。

自民党が優位→日銀追加緩和期待→債券需要上昇と予測→債券買い
・30年債入札結果が順調→生命保険からのニーズも見込める→超長期債にも買い
・債券買い=価格上昇=利回り低下。


株式

日経平均が約7カ月ぶりに9500円回復、米財政協議期待や円安定好感
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEKXU507SXKX01.html

東京株式相場は上昇。
TOPIXの終値は前日比6.88ポイント(0.9%)高の788.74。
日経平均株価は76円32銭(0.8%)高の9545円16銭。
約7カ月ぶりに9500円を回復。


この日はTOPIX、日経平均とも取引開始直後から伸び悩む場面も見られたが、終盤にかけて持ち直した。直近の急ピッチでの相場上昇でテクニカルの過熱感が高まっており、ここから上値を追うのは厳しい。

東証1部の上昇・下落銘柄の割合を示す騰落レシオは5日に120%と、約3カ月ぶりに短期過熱感を示すとされる水準まで切り上がってきた。ただ、選挙後も政局変化などに対する期待は続くとみられ、マーケットの雰囲気は良好だ。


要因1:

米国の財政協議の進展期待。5日、オバマ大統領が経済団体のビジネス・ラウンドテーブルで、財政協議について「約1週間以内に解決することは困難ではない」と話した。歳出削減と大型減税の失効が重なる米国の「財政の崖」問題について、折り合いをつけていく構え。

また、11月の米非製造業景況指数は54.7と、前月の54.2から小幅上昇。11月の米民間部門の雇用者数は、市場予想の中央値に届かなかったものの、前月比で11万8000人増えた。米経済は緩やかな回復が続いている。


要因2:

為替が直近の円安水準で落ち着いていることを好感し、機械や電機など輸出関連株、証券や銀行など金融株中心に買われた。このところ円安傾向が続き、輸出関連企業の先行き業績見通しが上向いてくる、との期待が高まっていることが大きい。


要因3:

ガラス・土石製品など素材関連、電力株も堅調。国内では16日投開票の衆院選で、自民党単独過半数を確保する勢いと主要メディアで報じられる中、安定政権の誕生による決められない政治からの決別が期待され、日本株への見直し買いにつながっている面もある。


為替

ドル・円は82円半ば、日銀緩和継続観測で円売り圧力根強い
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEKZQU6KLVSY01.html


[USD/JPY]

東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=82円台半ばを中心に推移し、一時は4営業日ぶりの円安値を付けた。午前9時すぎに付けた82円36銭から円安が進行。正午すぎには一時82円62銭と、11月30日以来の水準まで円が売られた。

16日に衆院選を控えて、報道各社の世論調査では日本銀行に一段の金融緩和を求める自民党優位の情勢が示されており、円売り圧力がかかりやすい状況が続いた。自民党が緩和寄りの政策プランを出して、それに対する世論の支持が高いということは当然、日銀からみても、それに全く反対してしまうと良くないという捉え方ができる。

共同通信が4、5日に行った電話世論調査によると、自民党小選挙区比例代表ともに優位に立ち、単独過半数を確保して、公明党と合わせると300議席をうかがう可能性があるという。


[EUR/JPY]

ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.3045ドルと、3営業日ぶりの水準までユーロ安が進行。ユーロ・円相場も1ユーロ=107円47銭まで下げた後、107円83銭まで値を戻したが、その後は伸び悩んだ。

ユーロ圏の債務問題をめぐる過度の悲観論は後退したものの、域内景気の先行き懸念がくすぶっていることから、ユーロの上値は限定的となった。ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)的な部分は弱い。

欧州連合(EU)統計局が5日に発表した10月のユーロ圏小売売上高は前月比1.2%低下。この日の欧州時間には7−9月期のユーロ圏域内総生産(GDP)が発表されるほか、ECB会合が開かれる。来週のEU首脳会合に向けて、経済統合の深化に向けたロードマップ関連の内容を評価していく状況になる。

しかし、銀行監督機構についても年内に合意を形成して、来年の稼働を目指すと言われているが、独仏からは時期尚早との意見も聞かれるとし、実現の可能性については各国の対立などをみながら評価していく形になるだろう。


債券

債券続伸、先物は過去最高値を更新−30年債の入札結果順調で
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJPWK6K50XT01.html

債券相場は続伸。先物中心限月は9年半ぶりに過去最高値を更新した。午後発表の30年債入札結果が順調となったことで買い安心感が広がったほか、日本銀行による追加金融緩和の観測も相場を押し上げた。


[先物]

東京先物市場で中心限月の12月物は前日比4銭安の144円95銭で取引を開始。直後から買いが優勢となり、午前10時ごろに145円09銭と2003年6月10日に記録した過去最高値に並んだ。その後はやや伸び悩んだが、午後1時30分前に最高値を更新。3時前には145円24銭まで水準を切り上げ、結局は23銭高の145円22銭で引けた。日中売買高は6兆4642億円と、3月15日以来の高水準となった。


[長期]

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の326回債利回りは同横ばいの0.71%で始まり、午前は0.5ベーシスポイント(bp)低い0.705%で推移。午後2時ごろから徐々に下げ、3時すぎには0.685%と03年6月27日以来の水準に低下した。

5年物の106回債利回りは0.5bp低い0.16%で開始。3時すぎに1.5bp低い0.15%と03年6月10日以来の水準まで下げた。2年物の323回債利回りは0.090%と8月3日以来の低水準で取引された。


[超長期]

超長期債相場は午後、大幅に上昇した。20年物の140回債利回りは横ばいの1.68%で開始。午後零時30分すぎから徐々に低下し、2時30分前後には4bp低い1.64%と先月13日以来の水準に低下した。30年物の37回債利回りも横ばいの1.945%で始まり、2時30分すぎには一時6bp低い1.885%と9月27日以来の低水準を付けた。

財務省がこの日実施した表面利率1.9%の30年利付債(37回債)の入札結果によると、最低落札価格は99円35銭と市場予想を5銭上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は5銭となり、前回の4銭からやや拡大。投資家の需要の強さを示す応札倍率は4.08倍と前回の5.10倍から低下した。

入札結果は、最終投資家の需要で強め。日銀の追加緩和期待が根底にあり、投資家の資金が国債市場に流入している。需給面で強い。超長期ゾーンの地合いは悪くとも利回り1.95%超では生命保険などからの買いニーズが見込める。


今日のつぶやき

・寝返りを打たない→血液の循環が悪くなる→悪夢を見やすくなる、らしい。
慶應生の卒論(?)を偶然見つけて面白そうだったので今後読もうと思う。

 『親子の経済学 〜遊ぶために食費を減らします〜』
 http://seminar.econ.keio.ac.jp/tamada/thesis/graduate/05/kawakita.pdf