12月07日のマーケット

12月07日(金)のニュース、経済指標をまとめました。
多様な材料が混在しており、価格変動の因果関係が複雑になってます。

概要

・新規失業保険申請件数が減少 = スーパーストーム「サンディ」影響が薄れつつある。
共和党内で数十人が超党派の呼び掛けに加わった → 財政問題に解決期待。
・米株価が上昇 ⇔ ただし、雇用統計の結果待ち。

欧州中央銀行(ECB)が成長率を下方修正→利下げの可能性→ユーロ売り。
・ユーロ売り→円買い→ドル売りにも波及→円/ドルは値を戻す。

・欧州景気低迷 → NY原油が下落→日本:資源関連株が下落。
・円安一服 → 日本:輸出関連株も低調。
・海外材料はプラス/マイナス/結果待ちが混在 → 内需関連業種に買いがシフト。
原発再稼働への観測 → 電力株が高い。

・物中心限月が2日連続で過去最高値を更新 → 反動売り=価格低下。
長期金利が9年半ぶり低水準 → 反動売り=価格低下=利回り上昇。
・きのうの30年債入札が堅調 → 超長期債は買い=価格上昇=利回り低下。


時事

三陸沖でM7.3の地震、宮城で津波1メートル−原発異常報告なし
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MENJIF6JTSEG01.html

午後5時18分ごろ三陸沖を震源とするマグニチュード(M)7.3の地震が発生した。気象庁宮城県沿岸に発令した津波警報を午後7時20分に解除した。同県石巻市鮎川では午後6時2分に1メートルの津波を観測した。警察庁広報によると、午後6時15分現在で地震に伴うけが人や事故の情報は出ていない。

この地震を受けて、外国為替市場では、円がドルやユーロなどに対して上昇した。ドル・円相場は地震発生後に一時1ドル=82円18銭まで円高が進行したほか、ユーロ・円相場も1ユーロ=106円20銭まで円高が進んだ。



「株が怖い」、個人の懐に800兆円埋蔵−日本株再生へ壁高し
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDIKOY0UQVI901.html

日本銀行の資金循環統計によると、ことし6月末時点の個人金融資産1515兆円のうち、現預金は844兆円と過去最高を記録、比率は56%に及ぶ。これに対し、株式・出資金はわずか6%の91兆円。欧米家計の資産構成は、米国が現預金15%、株式33%、欧州が現預金36%、株式15%となっており、日本の貯蓄信仰ぶりが際立つ。

それでも日本株市場での個人投資家の影は薄くなく、売買代金シェアで見れば2割と、7割近くを占める外国人 に次ぐ投資主体だ。ただし、一部愛好層の短期的な動きが多く、中長期的な相場トレンドを形成する担い手にはなっていない。個人の売買のうち、約6割が主として半年以内に持ち高を決済する必要のある信用取引で行われている。



日銀政策は「小出しで後手」、インフレ目標明示を−伊藤隆敏東大教授
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MELNYC6KLVRS01.html

東京大学大学院の伊藤隆敏教授は、日本銀行の金融政策について「too little, too late(規模が小さく実行も遅過ぎる)」と評し、日銀は次期政権下でとインフレ目標値を明記した共同文書を政府と交わし、インフレ期待に働き掛ける、より積極的な金融緩和策を実施すべきだと述べた。

さらに、伊藤氏は日銀による外債購入について「バランスシートでは買えないリスク資産をどんどん買っていくべきだ。その中に外債が入っていてもよい」と指摘。日銀法上では、国際金融協力を目的とする外貨資産購入は可能だとし、日銀が紙幣を増発して、国際通貨基金IMF)などへの出資金を賄えば、介入で市場に放出した円資金を吸収しない「非不胎化」と同じ効果を持つと説明した。



JFE:ベトナムの製鉄所計画、参画決定先送り−林田社長
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MELBHG07SXKX01.html

粗鋼生産国内2位のJFEホールディングス 傘下のJFEスチールは、ベトナムで事業化調査を進めている製鉄所プロジェクトへの参画決定を来年に先送りする。建設予定地に必要なインフラ整備をめぐり、ベトナム政府との折衝に想定以上の時間がかかっている上、採算に合うかどうか見極めがつかないためだ。

15年3月期までに1兆円の投資を行う方針を中期経営計画では打ち出していたが、林田氏は、4月以降に事業環境が悪化している状況を考慮して、案件を「取捨選択しながら少し抑制気味に投資していく」と語った。手元資金が343億円(9月30日現在)にとどまっていることから、投資資金調達の手段としての増資については否定した。JFEは他人資本の割合が既に高いと指摘した上で、「会社が借金をそれ以上増やすと、リスクがある」と否定的な考えを示した。


株式

TOPIX小幅続伸、電力や金融に資金流れる−鉱業や精密軟調重し
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEMSRA07SXKX01.html

東京株式相場は、TOPIXが小幅に続伸。
TOPIX は前日比1.50ポイント(0.2%)高の790.24。
日経平均株価 は17円77銭(0.2%)安の9527円39銭。


要因1:

海外材料で強弱要因が交錯し、不透明感から相対的に内需関連業種に資金が流れた。円安一服で輸出関連に買いが入りにくかった反動か。米国の重要経済指標の1つである雇用統計の発表も日本時間今夜に控えており、終日小幅な値動きで、結局、高安まちまちで終えた。

国際原油市況の続落を受け鉱業株が安く、精密機器やゴム株も軟調だった。鉱業など資源関連は、欧州景気の低調を背景に6日のニューヨーク原油先物が1.8%安と続落、3週ぶり安値を付けたことが嫌気された。

要因2:

原子力発電所再稼働手続きの前倒し観測が出た電力株が高い。原子力規制庁原子力発電所の新安全基準が決定する来年7月を待たずに、来春にも既存原発が新基準に適合するかどうか事前調査に入る方向で検討している、と共同通信が7日に報道。原発再稼働への観測が広がった。保険や銀行など金融株、倉庫・運輸株は堅調。

要因3:

4月に相場が急落した後にもみ合ったレベルまで上げてきたので、戻り待ちの売りが出やすい上、個人投資家などによる目先の利食い売りもある。先月中旬から続いた自民党安倍晋三総裁の金融緩和姿勢に基づく円売り・株買いの「安倍トレード」はいったん終わったと見られる。一方で、衆院選政権交代への期待から、下がったところでは、すかさず押し目買いが入る形になっている。


※海外材料について<プラス要因:米国株の上昇>

6日の米国株は上昇、S&P500種株価指数終値は0.3%高の1413.94ドル。富裕層向け税制をめぐるオバマ米大統領とベイナー米下院議長(共和党)の協議が行き詰まる中、共和党内で数十人が難局打開を目指す超党派の呼び掛けに加わった。また、先週の米新規失業保険申請件数は前週比2万5000件減の37万件と、スーパーストーム「サンディ」の影響が薄れつつあることが示された。市場予想の中央値は38万件。<マイナス要因:ユーロ安>

欧州中央銀行(ECB)は6日、ことしのユーロ圏成長率をマイナス0.5%予想に下方修正。2013年もマイナス0.3%と従来予想から引き下げた。ECBのドラギ総裁が会見で、追加利下げを排除しない姿勢を示したこともあり、7日の東京外国為替市場のユーロ・円相場は円高方向で推移。


為替

ユーロが1週間ぶり安値付近、早期利下げ観測で−米雇用統計見極めへ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEMTAF6KLVRN01.html


東京外国為替市場ではユーロが対ドルで海外時間に付けた1週間ぶり安値付近で推移した。欧州中央銀行(ECB)の早期利下げ観測を背景に、ユーロは徐々に売りに押される展開となった。

前日のECB会合でユーロ圏の経済と物価の見通しを引き下げており、利下げに対するハードルがそんなに高いわけではないことが確認された。次回以降の利下げの可能性を想定して、ユーロは売られるしかない状況だと言える。

ユーロ圏はすでにリセッション(景気後退)の状況にあり、目先の課題は実体経済の悪化に歯止めをかけられるかどうかというところになってきている。その上で、景気見通しを引き下げ、利下げの話もあったとなれば、当然、第1四半期、早ければ1月にも金利の引き下げというのを織り込むという判断になる。

ユーロ・円相場は1ユーロ=106円後半から一時107円08銭までユーロ買い・円売りが進行。午後には106円70銭と海外時間に付けた11月30日以来の安値(106円61銭)近くまでユーロが反落した。



ドル・円相場は1ドル=82円前半から82円57銭までドル高・円安に振れた後、再び82円前半へ値を戻す展開となった。

この日は米国で11月の雇用統計が発表される。ハリケーンの影響で非農業部門の雇用者数は大分弱い数字が見込まれているため、よほど市場予想から大きく振れない限りは、失業率の方に注目がいく。失業率が改善すれば、連邦公開市場委員会(FOMC)の追加緩和規模がそれほど拡大しないとの思惑につながりやすい。ドル買いが強まる可能性がある。

しかし、他の米指標をみても、ハリケーンの影響による弱さは一時的だった可能性が高く、ドル・円もそれほど下がらないこともあり得る。


債券

債券反落、連日の先物最高値更新で売り優勢−長期金利0.7%台に上昇
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEMRDJ6KLVRC01.html

債券相場は反落。先物中心限月が2日連続で過去最高値を更新したことで反動の売りが優勢となった。前日に9年半ぶり低水準を付けた長期金利は0.7%台に反転している。米雇用統計を控える中、週末でもあり、最近の相場上昇後で売りがやや優勢となっている様子。

日銀の金融緩和期待が支えとなっているものの、短い年限の金利低下余地は限られており、超長期債の割安感に目が向きやすい。きのうの30年債入札が堅調な結果となり、超長期債はしっかりだった。<先物>

東京先物市場で中心限月の12月物は前日比5銭安の145円17銭で取引を開始。その後は、徐々に水準を切り上げ、一時は4銭高の145円26銭に上昇し、前日に続いて2003年6月10日に記録した中心限月ベースでの最高値を更新した。午後1時すぎから売りが優勢となり、再び下げに転じて、結局は14銭安の145円08銭と、この日の安値で引けた。<長期>

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の326回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.695%で始まった後、午前は0.69%で推移した。午後に入ると水準を切り上げ、3時前後には1.5bp高い0.705%に上昇した。前日には0.685%まで低下し、03年6月27日以来の低水準を付けた。5年物の106回債利回りは0.5bp高い0.155%。<超長期>

超長期債は買い先行後に伸び悩み。20年物の140回債利回りは一時1.5bp低い1.635%と9月26日以来の低水準を付けたが、午後3時すぎからは横ばいの1.65%。30年物の37回債利回りは1.5bp低い1.875%と9月27日以来の低水準を付けたが、その後は横ばいの1.89%で推移した。

財務省が前日に実施した30年利付債の入札結果によると、最低落札価格は99円35銭と市場予想を5銭上回った。入札が続くものの、総選挙前でもあり、需給的には引き続き買いのフローが優勢となっている。30年債のショートカバー(売り建ての買い戻し)も残っている様子。


今日のつぶやき

Econ:
地震円高のメカニズムは復興需要を見越したものとの見解が強いようです。
・株を買わせる前に、利回り一定の個人向け国債をプッシュした方が良い気がする。
インフレターゲットはπ、物価目標はPを設定するので別物。計算結果が異なる。

Life:
・某博士論文を読了した。素晴らしい内容だった。
・美しい日本語に触れると、日本で暮らしていて良かったと思う。
・とりあえず眠い。マジ眠い。