12月13日のマーケット

2012年12月13日(木)のニュース、経済指標をまとめました。
FOMCの緩和強化に反発してさらに円安という絶好調ぶりです。

概要

アメリカ:FRBが追加緩和の強化を発表 → 市場はリスクオン(選好)。
・イタリア:1年債入札が順調 + ギリシャ国債買い戻し → 欧州ポジティブ。
・日本:日銀緩和期待 → さらに円安。

日銀による金融緩和の期待
 caused by
 1.自民党が優勢 → 圧力を受ける前に日銀が緩和するのでは?
 2.FRBの緩和強化 → 為替に過度な影響が出ないよう対抗?
 3.日本の経済指標が低迷(下方修正される懸念) → 金融政策を続ける必要性?

⇒円安。1ドル=83円65銭。1ユーロ=109円42銭。
⇒輸出関連株を中心に上昇。日経平均株価は9742円73銭。TOPIXは799.21ポイント。
⇒株高を受けて長期・超長期は売り=価格下落=利回り上昇。10年物国債は0.725%。


ニュース

ヘッジファンド向け融資もOK、円押し下げ狙う−日銀が20日に新制度
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEW5KE6KLVTC01.html

日本銀行は近く詳細を発表する新たな貸出支援制度について、外国金融機関の日本法人・支店を対象に加えるほか、貸出増加額を算出する融資先として、ヘッジファンドを含む国内外のノンバンクも加える。国内での貸出増加だけでなく、円で資金調達して外貨に転換する円キャリー取引や、対外M&A(企業の合併・買収)の増加を狙う。

金利は貸付実行時の政策金利(現在0.1%)で、最長4年まで乗り換えが可能。資金供給の総額の上限は設定せず、「無制限」とする。貸し付けには日銀が認める共通担保が必要で、同担保には日本国債や手形、証書貸付債権など国内金融資産のほか、米国債も含まれる。年明けのできるだけ早い時期に1回目の入札を実施する。期間は1年程度とするが、情勢次第で複数年の延長を視野に入れている。



金融庁:銀行出資規制を緩和、再生企業は条件付きで100%も可能に
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEYR8S6JTSE801.html

金融庁は13日、金融法制などを協議する金融審議会(首相の諮問機関)を開き、企業に出資できる金融機関本体の上限規制を見直す方針を示した。現行規制の5%は維持しつつ、経営再建中の企業に限り条件付きで最大100%まで引き上げることなどが柱。年内にも最終案を取りまとめる予定。

金融庁が同日公表した資料によると、上限規制は、事業再生を目指す企業に対して企業再生支援機構中小企業再生支援協議会など第三者が関与することを条件とし、最大で10年間、100%まで保有できるよう例外として認めることとする。規制を見直すことで、金融機関の企業再生への取り組みを促す。



米スプリント、クリアワイヤ保有株の買収を模索−21億ドル
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEYW886K50XS01.html

米携帯電話3位のスプリント ・ネクステルは、パートナー企業である米無線通信会社クリアワイヤの未保有株全てを買収する提案を行った。取引額は約21億ドル(約1750億円)となる可能性があるという。50%強は既に保有しており、1株当たり2.90ドルでの未保有株取得を目指している。これは12日終値を5.5%上回る水準。クリアワイヤに最大8億ドルの資金提供も申し出た。

スプリントは10月、イーグル・リバー・ホールディングスからクリアワイヤの株式4.5%を1株2.97ドルで取得することで合意。ソフトバンクはスプリントの株式70%を約200億ドルで取得することになっており、これに伴ってスプリントは豊富な資金流入を享受できる。


株式

日本株続伸、米緩和後の円安で輸出買い−指数連日の戻り高値
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEXWWG1A74E901.html

東京株式相場は続伸。
日経平均株価は前日比161円27銭(1.7%)高の9742円73銭。4月5日以来の高値水準。
TOPIXは7.92ポイント(1%)高の799.21。一時は5月1日以来の800ポイントも。


<要因>

日本銀行の追加金融緩和期待の強さから、米国の新たな金融政策発表後も円安・ドル高が進んだ。16日の衆院選で、大胆な金融緩和を公約に掲げる自民党が大勝する、との期待が円安基調の背景にあるとみられている。世論調査の結果を受け、自公両党で議席の3分の2を獲得する可能性も出ており、そうなれば選挙後にもう一段高になると見られる。

業績への好影響が見込まれ電機や精密機器など輸出関連株が上昇。証券や保険など金融株、海運や不動産株も高い。一方、空運や医薬品、電気・ガス、陸運などディフェンシブ業種を中心に8業種は安く、金属製品は変わらず。


為替

円が全面安、米追随で日銀の緩和観測強まる−対ドルで9か月ぶり安値
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEXYXJ6JTSEP01.html


円は朝方に付けた1ドル=83円13銭を上値にじりじりと水準を切り下げ、午後には一時83円67銭と、3月21日以来、約9カ月ぶりの安値を更新した。午後3時8分現在は83円65銭付近で推移。

米連邦準備制度理事会FRB)は12日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、資産購入プログラムを拡大、1月から米国債を毎月450億ドル購入する方針を表明した。また、失業率が6.5%を上回り、向こう1−2年のインフレ率が2.5%以下にとどまると予想される限り、政策金利を低水準にとどめる考えを示した。

FOMCが、予想していた以上に緩和を強化したことを受けて、来週に開かれる日本銀行金融政策決定会合についてあらためて緩和観測が強まった。政権が金融政策に大きく介入してくる前に、先手を打ってある程度対応するという期待感がある。


ユーロ・円相場も一時1ユーロ=109円46銭と、4月4日以来の円安値を付け、同時刻現在は109円42銭近辺で取引されている。

モンティ首相の早期退任見通しで国債利回りが上昇していたイタリアでは、政府が1年物証券の入札を実施し、平均落札利回りが1.46%と、3月13日以来の低水準となった。欧州中央銀行(ECB)が国債を購入する、との市場期待の高さを示唆している。

また、ギリシャ政府は額面で319億ユーロ相当の発行済み国債を、国内銀行を含む民間投資家から買い戻して消却することを明らかにしている。ギリシャの10年債が5営業日続伸し、利回りは3月の債務再編以来の水準に低下。

なお、欧州発のポジティブな話を背景に、リスクオン(選好)という状況になり、その流れがドル・円の円安方向に貢献している面もあるようだ。


債券

債券は下落、米債安や円安で超長期・長期債に売り−5年入札予想通り
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEXVW76JIJVB01.html

債券相場は下落。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融緩和強化決定を受けてインフレ懸念が強まり、米国債相場が続落したことや為替市場での円安基調が売り手掛かり。超長期債を中心に安くなった。一方、午後発表の5年債入札では最低落札価格が市場予想通りとなった。<先物>

東京先物市場で中心限月の2013年3月物は反落。前日比13銭安の144円57銭で始まり、いったんは6銭安の144円64銭まで値を戻した。しかし、午後に入ると、円安・株高傾向を受けて売りが膨らみ、一時は144円38銭と、中心限月ベースで11月15日以来の安値を付けた。結局、30銭安の144円40銭で引けた。<長期>

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の326回債利回りは同1.5ベーシスポイント(bp)高い0.71%で開始し、午前は同水準で推移した。午後に入って徐々に水準を切り上げ、3bp高い0.725%と11月28日以来の高水準に上昇した。5年物の106回債利回りは1bp高い0.17%を付けた後、0.165%。

財務省が実施した表面利率0.2%の5年利付国債(107回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円17銭と市場予想と一致。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は1銭となり、前回のゼロからやや拡大。投資家の需要の強さを示す応札倍率は3.54倍と、前回の4.96倍を下回った。日銀の追加緩和期待が高まる中で、無難な結果。<超長期>

大幅安。20年物の140回債利回りは3.5bp高い1.695%と11月1日以来の水準まで上昇した。30年物の37回債利回りは4.5bp高い1.94%と6日以来の高水準を付けた。来週の20年債入札が意識され、いったん売りが出ている。5年債入札が好調な一方、利回りが低下していた10年債や増発懸念の超長期債は利益確定の売りでスティープ(傾斜)化した。


今日のひとこと

すごいことに気付いた。

・運動→身体を動かして楽しい。
・調べる&考える→頭を動かして楽しい。
・音楽や睡眠→身体や頭を休ませて楽しい。

つまり、「身体/頭」「動かす/休ませる」のセグメントで分けると、どのポジションを選択しても結論は「楽しい」になる。なので、楽しくないときはこのポジショニングを意識すれば良いのではないか。