12月17日のマーケット

2012年12月17日の経済指標をまとめました。
衆院選の結果を受けて、金融緩和期待がマーケットを動かしています。

概要

衆院選で自民公明が325議席を獲得して3分の2を超えた。
・金融緩和期待:円安と脱デフレ→輸出関連株と金融、不動産が上昇。
・その他の政策:原発維持とインフラ整備→電気と鉄鋼の株価が上昇。

・日銀会合(with政府圧力)→緩和期待→円が全面安。
・金融緩和+財政拡大→財政悪化懸念→国債は売り=価格下落=利回り上昇。

日経平均は9828円88銭。
・1ドル=83円97銭、1ユーロ=110円41銭。
・10年債利回りは0.735%。


株式

TOPIXが4連騰、自公圧勝で政策期待−金融や電力に買い
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MF5BBD0D9L3501.html


東京株式相場は、TOPIXが4日続伸。
TOPIXの終値は前週末比6.80ポイント(0.9%)高の807.84。
日経平均株価は91円32銭(0.9%)高の9828円88銭と反発。
TOPIXは4月26日以来、日経平均は同3日以来の高値をそれぞれ付けた。

東証1部の売買高は概算28億5262万株、売買代金は同1兆5344億円。
値上がり銘柄数は1033、値下がりは505。 <要因と内訳>

自民、公明両党が衆院選で圧勝し、脱デフレ政策・円安進行への期待が広がった。政権交代による政策恩恵を受けるとみられた電気・ガス株は、東証1部の業種別上昇率でトップと急騰した。

原発維持 → 比較的新しい発電所まで廃炉を迫る長期的リスクが低下。電力株は上昇。
・円安 → 輸送用機器など輸出関連株が上昇。
・脱デフレ → 住宅や不動産にポジティブ。銀行や証券など金融株も。
・インフラ整備 → 建設用鋼材の需要拡大につながり、鉄鋼が高い。

もっとも、株価指数は取引終了にかけてやや失速。衆院選での自民党の選挙結果は安心感をもたらしたが、これからは慎重に見ていく必要がある。一段と株価が上がっていくためには、現実的な動きがないといけない。<衆院選について>

16日投票の衆院選は即日開票され、自民党が圧勝、与党民主党は大敗を喫した。NHKによると、定数480議席のうち自民・公明両党合わせ325議席を獲得と、参院で否決された法案を衆院で再可決できる3分の2を超えた。

自民・公明両党の勝利は事前に想定されていたものの、株式市場は両党で定数の3分の2を確保するところまでは織り込んでいなかった。圧倒的な議席確保は、自民が掲げる脱デフレ政策を国民が支持していることを示し、経済政策や日銀への圧力が進展する確度は一段と高まった。


為替

円全面安、自民圧勝で日銀緩和強化観測-対ドル昨年4月来安値
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MF5AFH6TTDTM01.html


東京外国為替市場では円が主要16通貨に対して全面安の展開となり、対ドルでは約1年8カ月ぶりの安値を付けた。日本銀行に対する金融緩和圧力の強化観測を背景に円売りが進んだ。

ドル・円相場は朝方の取引で一時1ドル=84円48銭と、昨年4月11日以来の水準まで円安が進行。期間14日の相対力指数(RSI)が円の売られ過ぎを示唆する70を超える中、83円86銭まで円が値を戻す場面も見られたが、午後4時現在は83円97銭付近で取引されている。

また、円は対ユーロで一時1ユーロ=111円32銭と、3月21日以来の安値を付け、同時刻現在は110円41銭付近で推移している。 <日銀会合と為替>

19、20日には、日銀が金融政策決定会合を開く。14日に発表された企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)の景況感が2期連続で悪化。また、米連邦準備制度理事会FRB)が12日の連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和策を強化した中で、日銀の対応が注目されている。

26日には安倍氏が首相に就任する見通しとなる中で、日銀が不十分と認識されるような金融政策を打ち出して結果的に円高が進めば、政治的圧力をあおりかねない。その上、来春に控えている日銀の正副総裁人事が安倍総裁に委ねられている以上、今回の会合で緩和が見送られたとしても先行きの緩和観測は強まるばかり。円安期待の地合いは変化しない。<反発懸念>

ただ、足元で円安が急に進み過ぎている懸念もあり、市場の目線が日銀会合に移行する中、いったんは様子見でポジション調整が入りやすいとも考えられる。

すでに期待先行の「安倍トレード」で5円程度円安に動いているが、金利差も何も関係なく投機性が強い。今週の日銀会合ではまだ内閣も出来上がっていない状況のため、ゼロ回答の可能性も残る中、期待だけで円売り持ち高が積み上がっている。選挙結果と日銀会合を受けて、円安は85円がクライマックスになりやすい状態とも取れる。


債券

債券は下落、財政懸念や円安・株高重し−超長期債利回り4月来高水準
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MF5AH06JTSE801.html


債券相場は下落。短い年限はしっかりだが、超長期債は安い。積極的な金融緩和・財政拡大への観測から円安・株高となったことや財政悪化懸念が重しとなった。自民党衆院選挙で圧勝した結果、今年度補正予算が大型化し、国債増発に対する警戒感が強まっている。補正規模は10兆−15兆円という観測も出ている。<先物>

東京先物市場で、中心限月の2013年3月物は3営業日続落。前週末比10銭安の144円20銭で始まり、直後に144円19銭と、中心限月の日中取引ベースで11月5日以来の安値を付けた。その後は、徐々に下げ幅を縮小し、一時1銭安の144円29銭まで戻す場面があったが、結局7銭安の144円23銭で引けた。 <長期債>

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の326回債利回りは同1ベーシスポイント(bp)高い0.735%と、11月26日以来の高水準で始まった。午前は同水準で推移。午後1時半すぎに0.73%を付けたが、その後は再び0.735%で取引された。5年物の107回債利回りは横ばいの0.175%。 <超長期債>

財務省はあす18日、20年債入札を実施する。表面利率(クーポン)は前回債と横ばいの1.7%となる見込み。発行額は前回債と同額の1兆2000億円程度。入札に向けた調整売りが出ており、超長期債にとって短期的には重しとなっている。

20年物の140回債利回りは2bp高い1.715%と、4月27日以来の水準まで上昇。30年物の37回債利回りは2bp高い1.965%と4月5日以来の高水準を付けた。いずれも4月以来の高水準を付けた。


今日のつぶやき

半袖で投票所に行ったらバイトのお姉さん(?)にくっそ笑われた件について。
この気温なら、体温を上げれば上着なしでも…まだいけるべ。多分。