12月19日のマーケット

2012年12月19日(水)の経済指標をまとめました。

概要

EUギリシャ信用格付けが引き上げ+スペイン政府が証券入札で目標額を調達。
先行き懸念の緩和によってユーロ買い。

USA:財政協議が進展してリスク選好にシフト。
米国債を打って金利が上昇。日本ドル買いは上昇。

JPN:貿易赤字、日米金利差、緩和期待によって円安方向へ。
円安+景気改善期待を受けて金融・輸出関連を中心に株価上昇。
株価へのシフトから、債券は売り=価格下落=利回り上昇。


株式

日本株ことし最大上昇率、国内政策と米協議期待−1万円回復
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MF90O70YHQ0X01.html

東京株式相場は大幅続伸。
TOPIXは前日比22.49ポイント(2.8%)高の839.34。6連騰で11年3月以来の上昇率。
日経平均株価は237円39銭(2.4%)高の1万160円40銭。3連騰で11年9月以来の上昇率。
終値での日経平均1万円乗せは4月3日以来、およそ8カ月半ぶり。

銀行や保険など金融株が大幅高、輸送用機器など輸出関連、鉄鋼や建設など政策関連株も高い。時価総額上位銘柄をはじめ、日本を代表する企業を買っておこうという動き。海外投資家とみられる現物株への買いが終始継続。<要因1>

国内の金融緩和や大型補正予算による景気改善期待。自民党安倍晋三総裁は18日に日銀の白川方明総裁と会談し、衆院選で党が掲げた2%のインフレ目標の設定と政府・日銀の政策協定(アコード)締結を検討するよう要請した。また、高村正彦副総裁は19日、緊急経済対策としての今年度補正予算について「10兆円規模は必要」「防災・減災の公共事業を前倒しで実施」と表明した。<要因2>

米国の財政協議の進展観測、為替の円安が好感された。今回の日銀会合での金融緩和期待が醸成され、きょう、あすで自民大勝と金融緩和を株価に織り込む勢い。日本株は10年春のギリシャ危機後の急速な円高で海外株に出遅れた経緯があり、当時の日経平均は1万1000円以上だったことから、同水準を取り戻しに来ている状態。


為替

円一段安、米財政協議楽観や日銀緩和期待-対ユーロ昨夏来安値
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MF932S6JTSES01.html

東京外国為替市場では円が下落。

対ユーロでは昨年8月以来の安値を更新した。ユーロ・円相場は朝方に付けた1ユーロ=111円33銭からじりじりと円安が進み、午後には一時111円78銭と、昨年8月30日以来の円安値を付けた。午後3時12分現在は111円74銭付近で取引されている。

欧州では、ギリシャの信用格付けが引き上げられたほか、スペイン政府が実施した証券入札で目標額を調達するなど、先行き懸念が緩和する格好となっている。なお、ユーロ・ドル相場は東京市場で一時1ユーロ=1.3256ドルと、5月1日以来の高値を付けている。

米国の「財政の崖」回避に向けた協議の進展期待を背景にリスク選好の動きが先行する中、日本銀行の追加緩和観測もあり、円売りが進んだ。ドル・円相場は1ドル=84円17銭を円の上値に、一時は84円43銭と2営業日ぶりの水準まで円が下落。同時刻現在は84円35銭付近で推移している。

貿易赤字政権交代といった日本側の要因に加えて、米国の状況改善を背景とした米金利上昇という「追い風」が吹いており、円は素直に安くなりやすい。日銀の会合に関しても恐らく失望は出ない。ドル・円相場は底堅さを維持するとみている。

18日の米国市場では、財政協議の進展期待を背景に株式相場は続伸。債券相場は下落し、10年債の利回りが一時1.85%と、10月25日以来の高水準を付けた。オバマ大統領と共和党のベイナー下院議長の間で徐々に主張の差が詰まってきており、合意に現実味が出てきて「財政の崖」の問題に明るさが見えてきた。金融市場全体にリスクオン(選好)になっている。<貿易赤字>

財務省が19日に発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、11月の貿易収支は5カ月連続で赤字を計上。赤字額(原数値)は9534億円と、11月としては過去最大を記録した。<金融緩和>

日銀はこの日から2日間の日程で金融政策決定会合を開く。14日に発表された企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が2期連続で悪化。また、米連邦準備制度理事会FRB)が12日の連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和策を強化している中で、日銀の対応が注目されている。


債券

債券は下落、米債安や国債増発懸念が重し−先物は1年ぶりに5日続落
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MF7VB96KLVR401.html

債券相場は下落。前日の米国市場で株高・債券安となったことや今年度補正予算の規模拡大観測を背景とした国債増発懸念が重しとなった。先物中心限月は約1年ぶりに5営業日続落となった。総選挙後の株高を受けて円債には売りが続いている。米国債も『財政の崖』への懸念を背景にロング(買い建て)となっていた持ち高の巻き戻しの動きとなっている。

また、円債相場は地合いが悪化していた上、海外からの悪材料も嫌気して売りが先行した。もっとも、金利上昇に伴って、投資家の買いが膨らみ始めている。今後も追加金融緩和が根強いテーマ。金利上昇余地が小さい中期ゾーンは選好されやすく、5年債利回りの0.2%接近は絶好の買い場。<先物>

東京先物市場で中心限月の2013年3月物は前日比28銭安の143円71銭で取引を開始すると、直後に143円70銭と、中心限月の日中取引ベースで9月20日以来の安値を記録した。その後は最近の相場急落の反動で買いが優勢となり、午後の取引開始後には同2銭高の144円01銭に上昇。

もっとも、買いは続かず、その後143円90銭前後でもみ合いとなった。結局、終値は同11銭安の143円88銭で引けた。先物は13日からこの日まで5日連続で下げた。5日続落は中心限月ベースで2011年11月21日−同29日に記録した6日続落以来の長さ。<長期>

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の326回債利回りは同1.5ベーシスポイント(bp)高い0.77%で開始し、0.775%を付けた。午後にはいったん0.765%まで戻したが、その後再び水準を切り上げて、午後3時ごろには0.78%と11月2日以来の高水準を付けた。5年物の107回債利回りは1カ月ぶり高水準の0.195%で始まったが、その後は買いが入り、午後には一時0.18%まで下げる場面が見られた。<超長期>

前日入札された20年物の141回債利回りは1.75%で開始し、新発20年債利回りとして4月9日以来の高水準を付けたが、その後1.74%まで戻している。30年物の37回債利回りは0.5bp高い1.985%。


今日のつぶやき

何事も念には念をだと改めて思った。